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阿修羅の部屋


[225] ぎりぎり
詩人:阿修羅 [投票][得票][編集]



墜ちてゆく




その途中で

呼吸がまた

できるように

なるんだと



逆さに映る月を眺めて


血を吐いた




何百人何千人の
誰かの声の
耳鳴りのあとに痛む
頭は



何かが巣くっていそうで






もう欠片も遺っていない
感情で



だいきらい ではなく



きもちわるい


と吐いた






切り裂いた傷口から

血液が流れるならば


私はまだ人間なんだと


気づくことができる





ぎりぎり人間





瀬戸際で嗤ってる



あの糸を切ったら



すべて崩れ落ちる

2009/12/16 (Wed)

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