詩人:ふくざわゆいと | [投票][編集] |
誰がボクといて 心から
「楽しい」と笑うの?
…わからない だからいつもピエロを演じて
誰がボクといて 「ありがとう」と言うの?
…わからない むしろ
それが当たり前なのか
そんな言葉も貰えやしない
欲しくて 親切するわけじゃないけど
叶うなら 気持ちを伝えてほしい
誰がボクといて 「幸せだよ」と微笑むの?
…わからない この先
そんな女性に出逢えるのかすら
疑問より不安 通り越して諦念…
誰がボクが死に 「哀しい」と涙するの?
…わからない この命に懸けて
精いっぱいのつもりでも なぜか
誰も本当の『ボク』を 見ていない気がして…
どうして 誰かを大切にするの
こんなに難しいんだろう…
どうして 誰かに大切に
ボクは 想ってもらえないのだろう…
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他人に心 傷つけられて
他人に気持ち 踏み躙られて
それでも その相手を
恨むことも 憎むことも
出来ずにいる
約束や目標 ある程度決めた
そういった目的へ お互いが
目指して歩んでいるものだと思っていた
けれど 実際は
その方向へ向かって 歩いているのは
ボクだけだった…
悔しかった 苦しかった
キミの中で ボクはもう
要らないんだと悟った
「傷つき返してやる!」とか
「同じ痛みを思い知れ!」だとか
そういう ある意味
訴える力や 反発する熱さえ
失った
相手に 何も感じなくなった
相手にとって 自分がいかに
「価値のないもの」なのかと
だから「裏切られる」のだと
「平気で」傷つけられるのだと
知った
怒りや哀しみ そういったものや
涙の一粒も 流れやしない
むしろ なにもかも
もう どうでもよくて
その出来事に 向き合うことも
誰かと深く 関わりたいとも
思わなく 思えなくなっていっただけ
なにも感じない 相手も見えない
静かに 自分を閉じていく
二度と 届かないほど離れていく
まるで すべてが他人事のように
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たった その一言が
時に どれほど他人を傷つけているか
どれほど他人を 追い詰めているのか
ねぇ
本当に 「仕方ない」ことなの?
その一言を 放つことで
もう そのことから目を逸らしてない?
「たられば」の話をしたいわけじゃない
他のより良い手段や 効率的な方法が
思いついたワケでもないけど
だけど それでも言いたいのは
その無慈悲な言葉で 片付けて
目を逸らすこと 背を向けること
そんなことは 誰にでも出来る
そんなことを 望んではいない
相手の痛みが 分からなくても
せめて なにか掴もうと
意図することを汲もうと
察したり 寄り添おうとする
思いやりの気持ちが あってもいいんじゃないかって…
「仕方ない」
ある意味 便利な言葉だね
前を向いていそうに 見えて
その一言は「諦観」している
「受け入れている」とは
その時 ボクには聴こえなかった
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哀しかった
知りたくなかった
あなたが見ていたのは 私じゃなかった
あなたの中にいる 別の誰か
それが誰なのか 分からないけど
私といて あなたはそれでいいの?
私といて あなたは本当に幸せなの?
いつからか 気付かないうちに
見えない誰かの その面影を
重ねられていただけだった…
詩人:ふくざわゆいと | [投票][編集] |
10年前と 同じ日付
思い出さずにはいられない
あの日も こんな空だった
秋晴れの 綺麗な空だった
キミと 二度と逢えなくなった日
キミが 空へ還っていった日
ごめんね
10年も経ってしまった
それでも ボクは惨めにも
キミの分まで 生きているつもり
だから
春も夏も冬も そして
キミが旅立ってしまった秋も
結局 誰もそばに居なくて…
独りで 空を見上げているんだ
今までよりも この日を迎えるのが
少しずつ 楽になってきた気がするのは
ボクが 受け入れることができたのか
それとも だんだんと忘れているのか
分からないよ
でも 忘れないよ
初めて「好き」と 言ってくれた人
初めて 「好き」を教えてくれた人
いつまでも この胸に
そっと しまいこんで
周りみたいには なれなくても
独りでも ひとりじゃない
いや 独りじゃなかったんだって
キミがいたから 生きていける
生きていくんだ
あの日
すべてが変わってしまった…
守ってあげられなかった…
ホントは幸せにしてあげたかった…
叶えてあげられなかった
たくさん苦悩した
なにもかもに絶望した
後を追おうかとさえ思った
それでも… ボクは… キミのことが…
今は素直に想えるよ
ありがとう 出逢ってくれて
ボクばかり 老けてしまうね
それでも天国で 見守っていてね
いつか きっと幸せになるから
希望を捨てずに 生きていくよ
大好きだよ
初めて「好き」になった人
初めて付き合ってくれた彼女
詩人:ふくざわゆいと | [投票][編集] |
悪いことをしている
分かっている その自覚がある
悪いことをし続けている
けれど 仕方ない
生きるため
幼い妹、弟を養うため
戦争に巻き込まれて 両親はいない
「私が育てなきゃ…」
そんな使命感と引き替えに
コードネーム 107
私の流した情報で 戦争がまた始まっていく
潜入先の敵戦艦には
家に置いてきた 妹や弟と
変わらない年頃の子供たち
「なんてことをしてしまったんだ…」
「この子たちをも巻き込んでしまったのか…」
強い後悔に襲われて
こんな人生を変えたくて
キッカケが すぐ目の前にあって
だから それにすがる思いで
迷わず 飛び込んだ
それで救われるのか 分からない
けれど なにもせずにはいられない
変われそうな気がして
今までの罪の意識もあって
せめてもの償いをしたくて
なにかの役に立ちたくて
だから 危険と知りながら
彼女は 飛び込んだ
そして そのまま帰らなかった…
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記憶を人質にとられて
戦うしかなかった
生まれて 今に至るまで
生きてきた記憶を 取り戻したくて
本当の自分が知りたくて
戦わざるを得なかった
仕組まれた頭痛
薬が無いと止まない
度重なる戦闘に 身も心もやつれた…
それでも ここでは
「兵士」としてじゃなく
「兵器」として扱われてしまう
名前さえ番号 4番目の試験体
苦しみながら 彷徨って
見た目は 普通の女の子でも
他人は 「強化人間」と呼ぶ
乗りたくもないのに 壊したくもないのに
仕組まれた機械に 操られて
無差別に 破壊を繰り返す
「これは本当の自分では無い」と
知りながら 止められず
葛藤し蝕まれ 死んでいった
街を壊したかったんじゃない
戦争がしたかったんじゃない
その目的の為に 造られたとしても
本当に ただ純粋に
自分の記憶を 取り戻したかった
ぬくもりの中で 生きていきたかった
誰かに愛され 愛したかった
もっと あなたと一緒に…
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物心 ついたときには
すでに そう呼ばれていた
自覚は あとから芽生えた感じ
「自分のもの」だという
絶対的な 感覚はなくて
だけど
それでも いつの間にか
自分を表す 記号だった
好きでそうなったわけじゃない
自分で決めたものでもない
だけど
それなのに なぜか
バカにされたり 嘲笑われると
どこか 傷ついている気がする
それよりも 自分自身よりも
そう名付けてくれた
願いを込めてくれた
家族に 申し訳なく
思えてきたりする
なんだろうね この感覚は
自分の名前
「好き」ってワケでもないのに