からっぽで満ちた
僕の声色
生命の神秘の
そのまんまの姿で
海面を凪ぐ海風は
ミッドセンチュリーの
色をしていた
丁寧に愛をして
迷い込んだ
永久の箱舟
シュロの木に降りかかる雨の匂い
その温もりの中に
幾つかの虹色が
うっすらと見えた
僕の魂と融合する
七色の星は
しなやかに
たおやかに
そこにある永遠を
軽く飛躍して
見知らぬ君と
まだ見ぬ僕は
覚えたての言葉を
呟いている
海風が去っていく
その方向
その角度に
悲劇のないバラッドが溶けていく
波高きこの朝
繋いだ手の中に
あどけない君の
飾らない母性を
僕は見つけた
2007/10/31 (Wed)