深海に揺れる光の中にダイブして太古の恵みを少しでも、と漂ってみた屈折する視界その角度で僕の感覚が音を立てていく満員電車の轟音と微かな空白にシンクロする音の無いセレナーデ同調する僕の指は風が吹くように海が凪ぐように数万フィートの高度で星を数えている冷えた爪先はただ明日だけを見ていた
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