ホーム > 詩人の部屋 > フィリップの部屋 > 環状線

フィリップの部屋


[247] 環状線
詩人:フィリップ [投票][編集]

座る人
立つ人全て
大阪弁で
いつもなら何か
話し掛けるのに
僕は話し掛けなかった


異国の人を見た
肩の辺りから滲み出る情緒
悲しみを帯びた茶色い瞳は
彼が中近東地域の人間だということを
物も言わずに
僕に教えてくれた


この箱は安全に見える
オレンジ色の箱の中の世界は
日本であって
日本でなく
世界であって
世界でない

テロの標的にも
戦争の舞台にも成り得る事のない
ただの、電車

僕は
なんだか無性に
罪を感じた


桜ノ宮
大阪城公園
玉造
桃谷
天王寺


そろそろ
下車駅らしい

2007/11/03 (Sat)

前頁] [フィリップの部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -