春入りをした窓辺にせり出す桜の木を潤す雨の輝きその中にまだ僕の知らない何かがあるラジカセから音楽が流れその瞬間音楽は音楽ではなくなる春の調べ枕下はまだ悠長な朝のままだ風が吹いている子供の声がその音とハモって聞こえるのは目に見える世界の営みを僕がまだ知らないからだからっぽのポエットユニクロのジャケット「これはもういらない」っておとつい一緒になったひとがタンスにしまっていた
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