電話を切ってまだしばらく二日酔いだった渋谷のイチマルキュウあたりで革命とはなんぞや、とか世界のチョウワがうんぬん、とかやらを聞かされただが生憎僕にはあんまり救われる話ではなかったわけでただ、あまりにポジティブだったよどんだ空気を吸いながらタバコに火をつけているこっちの空はよどんだままだがあっちの空は晴れているって一人で信じているから口の中でそっとピース、と呟くその瞬間にさえ僕はニンゲンと出会い直していた
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