詩人:フィリップ | [投票][編集] |
駅前商店街を歩く
僕らはみんな真っ白い断片で
花びらの舞う空に
人間の温度を感じる
断片が断片のまま
人らしく生き続けられるのも
高梁という空間
大学の近くの坂道で詩の材料を探した
世界は確かに動き続けていた
そして確証があるとかないとか
材料がナンセンスだとか
そんな事はどうでもよかった
僕はただ
そこを歩く一人の大学生であるから
下板張りの建物からは毎日
建物の寿命が風にのって届いてくる
古き物の寿命や
地球温暖化による災害なんかより
個人の死がよっぽど怖い
こんなにも小さな世界でも
今朝の新聞では
知らない誰か、という命が消えていくとう事がわかっているから
スカイウォーカー
僕らはまだ羽根をもっていないから
地に届く足でもって世界へ飛ぶ
自分と関係のないことも
身に吸収して
高梁が遠くなり
もう見えなくなってから
道沿いにドラッグスターを停める
歩いてきたはずの道はもう
想像だけとなって
茜の空へ真っ直ぐ伸びていた