ホーム > 詩人の部屋 > フィリップの部屋 > パンパン

フィリップの部屋


[309] パンパン
詩人:フィリップ [投票][編集]

新宿の夜を
地下鉄で走る
車内は静寂であり
喧騒ですらあり
ただ
僕には余りに広い

隣に座った老紳士が広げた新聞を
横目でチラリと見てみた
一面記事になっていたのは
ある殺人事件の事
遠い国の事でも
昼時のドラマでもない
今僕がいる場所からほんの数ミリ
角度がズレた地図上の街での話
そういう事に
僕は戦慄を覚えた

パンパンとした僕の心を
汽笛がつつく
山手線
辿り着いたホームの空気は
パンパンに膨れ上がったペットボトルのような重さを
冷たさと共に
僕になすりつけた

2008/05/22 (Thu)

前頁] [フィリップの部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -