ホーム > 詩人の部屋 > フィリップの部屋 > Tokyo poemstory

フィリップの部屋


[315] Tokyo poemstory
詩人:フィリップ [投票][編集]

早朝のお台場付近を歩いてみた
灰がかかった空の中に朝らしい色を探る
今日のこんな朝にもどこかで誰かが
詩を書いている


合同詩集を作りたいという友人
つまり詩人のジョセフと
カメラマンのドメニコの為に
詩の素を探す
新人ジョセフは恋愛詩を書きたいというので
とりあえず恋をし
ドメニコは高層ビル群が撮りたいとかで
新宿に向かった
誰もいないTokyoは美しい
喧騒も排気音もどよめきもない
この広い空間に
僕たちは三人きりだ


Tokyo poemstory
僕たちは言葉を媒介にして空を飛ぶ
遠いどこかで何たらかんたら賛美歌が響くように
不具合な言葉は
今まさに命を紡いでいるのだ

明け方の空間が終わりを告げる
灰は今まさに青色
誰もいなくなった後で
最新詩集のタイトルだけを記憶している

2008/06/26 (Thu)

前頁] [フィリップの部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -