大桟橋のビューポイントに立っていた女性に声をかけた「詩集のカバー写真を撮りたいので、五分間だけ彼女になって下さい」そしたら、彼女は僕の手を握ってくれた子供が小銭を握り締めるように彼女は、僕の魂を握り締めた言葉なんていらない横浜トリエンナーレの夕焼けが音もなく過ぎていく知らない街で、知らない人と手を繋ぐどんな劇的な出会いよりもこっちの方が何だかキュンとくる気がした
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