皐月の中頃にて高速バスの一番前の右側座席に座って君の街へと行くぶっきらぼうに過ぎていく景色の中で麗らかな陽射しが見据えている方向にある目的地はもはやこの世のものではない遠い遠いアンダーグラウンドともすれば消えてしまいそうな心の内で必死に想いのハケを抱くとひょっとしたら遠い遠い異国の情緒に似たものをこの世の果ての世界で見つけられそうな気がしたりして
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