自動車の排気ガスが噴いたアコースティックギターを弾くしなる指がピタリと止んだ若葉がひっそりと年老いていくようにかみさますら知る事のない間にアルベールお前はたった一回だけ夢を見たその間に僕は何万回も夢を見ている轍と刺し違えて僕が死ねばよかったそうしたらもっと豊かな夢を見られただろうに友よ河を超えた先では元気にしているか星は出ているか天気は淀んではいないかこの詩を謳っている東海岸の夜の空はこんなにも瞬いているというのに
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