言葉を探す旅に出ていつの間にか大人になって自分の声も忘れてしまった覚えたての言葉ももうない夜中に点けた古いラヂオからふとしてありふれた言葉が飛び出したそれが何だか新鮮で夢中になって聴いたあの頃に似ているあの頃と同じだ未知ではないいつかの言葉が溢れ出て海になる冒険の時代は過ぎた今度は誰かに伝える番だ僕たちの言葉には生まれ来るものたちへと伝える何かがある朝を通じてまだ見ぬ君は知るこの世界にありふれた僕たちの言葉を
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