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フィリップの部屋


[353] 夜明け前の考察
詩人:フィリップ [投票][得票][編集]

透明なワイングラスに言葉を汲みながら
世界も
同じように透き通っているものだと信じる子供に
何が言えようか


大人は無力で無気力である
知識を本能に代えることを忘れ
次へと渡さなければならない見えないバトンを途中で落とし
僕らに
一体何が残っていようか


与えられるものも
与えるものも
何一つわからない世界の中で
誰もがどう生きていいかわからないのだ

夜明け前になると憂鬱になり
夜が更けると活発になるのは
蝙蝠と同じだ
この国に
果たして心は残っていようか

2011/08/26 (Fri)

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