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是清。の部屋  〜 新着順表示 〜


[41] 門出。
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新しい朝です。裏表の無い明るい門出です。旧いモノは一切無く、不純物も見当たらない朝です。一新された全てが、妾を祝福してゐます。沢山の別れと、沢山の純粋な雫を視ました。今は新しいモノに溢れてゐます。狭苦しい社会も同様です。新しいお洋服とかお靴とか、お顔等がさうです。見苦しい朽ちかけた皮は剥がされたやうです。妾のからだも同様です。肌や髪や、骨等がさうです。勿論、妾のこころも同様です。誰かを想ふ気持ちや、価値観です。善い事だとも思ふし、悪い事のやうにも思われます。いづれにしても、君に関係の無い事です。

2003/03/31 (Mon)

[40] 日ノ本ノ圀。
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着飾つたアルフアベツト/安上がりな/横文字連ね/訳知り顔で講義する/此の御偉い/矮小な島国の緑ノ猿/二ヶ圀語/代理母圀語/拙ひ発音/五月蝿ひ雑音/澄み切つた風鈴のやうな音/耳に涼しい/妾の圀の言葉。

2003/03/29 (Sat)

[39] 破戒。
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知つてしまつたら/まう後には引き返せない/まう元には戻れない/彼ノ頃笑つて済まされた事でも/総てを識つてしまつた今では/妾の云ふ事全てが嘘で/さう思つてくれて良い/だうせ彼ノ頃には戻れない/妾は汚い/今凄く汚い/君に触れる事も出来ない/君を汚したく無い/月光のやうな/神々しい君を/綺麗な君を/唯ひたすらに/欲しいと思ふ/君がくれる悦びに/浸つてふやけた妾が悪ひ/朽ち果てる其ノ日迄/妾のせいにしてくれて良い。

2003/07/20 (Sun)

[38] 不純。
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穿たれた惜し気も無い空の穴
草臥れた使ひ古しの明日を
僕等は未だ夢見てゐる
繋いだ指から流れ込む哀愁と君の体温
最早奪はれてしまつたら
僕は何処へも往けない

配られた白紙の彼の町への地図
手放した彼の鳥は今何処を彷徨つてゐるの
確かめる術は全部君の中で
堂堂巡りをしてゐる事に
未だ気付かない背中

書き蓄めた/嘲笑の言葉は
呆れる程の虚飾を纏つて
崩れさうに君は微笑む
挫けさうな僕に

「下らない」
さう呟いた君が
倦だる熱と/勢いに身を任せた
誰も此の指の先に在る世界を知らない
此の冷たい柵の先を
唯曇らない君の影を。

2004/05/11 (Tue)

[37] 後悔。
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此ノ歳迄振り向かずにやつて来ました/有り難みを感じる事無く今日迄/致死量にも充たない軽い毒の朝食を/君と今迄何も気付かず摂つて来ました/後ろめたい夜明け・不安定な接触と/腫物に触るやうな君の扱ひ/不様に転がつて寒々しい空を仰ぐ/何時迄も黙つて/此処で喘ぎ続けるよ/無駄が無いやうに/今も但歩き続けて・腐れ切つた/うなだれた/重い地面の上で/妾は未だ君を視てゐる/先刻迄の君を・曇つてゐる空は/明らかに作り物で/幼い日に落胆した彼の時のやうな夢は見ない/かしづく総てはまう既に君の物で/歯軋りをする余裕すら僕には無い。

2003/07/13 (Sun)

[36] 悦/ゑつ。
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味気無く過ぎ行く艶めかしい流れ/暇を潰す為に/厭な事柄を浮かばせる午前弐時/寧ろ時だけは残虐で/優かつた憶えも無い/意地汚い清流に/身をたえた事は有りぬれど/彼の猫の額の古臭い町に/妾の噂は流れてゐた/暗く陰気な婦ぢやあない/至つて明るい陽気なをんなさ/白い谷に潜む/傲慢な熱を待つだけ/普段の心掛けが大事さ/指絡み/足場へと誘ふ夜更け・虚しく退屈な彼の町に/妾のかほりは漂つてゐた/嘘吐きな貴方同様/其の術を身に付けて/行灯に寄つて来る蛾のやうな男達と/空つぽな夢を観る/あどけない少女の時代は何時/妾の前で扉を閉めたの?

2003/07/13 (Sun)

[35] 老後の希望。
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だうせ/五十年もすれば/居なくなつてしまふ貴方/虚勢を張つて/地べたを這いずつて/尚此処にゐる・惨めな姿/陰惨な情景を思ひ描く/ふ、と/微笑む。

2003/03/12 (Wed)

[34] 約束/ヤクソク。
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戒めた言葉に大概秘められてゐる/無垢な悪意と此の輿の膿/大分丸くなつた貴方の刺が/不意を突いて妾を刺した/世界が妾を裏切る日・巧い事云つて誤魔化さないで頂戴/溢れる個々の記号/繰り返す間引き/正当化せよ機械/無駄話は決して/刻まれる秒針に被害を及ぼさない/櫛から未だ流れ往く/有りがちな其の音響/赤い橋へと投降/四角い球体に発情/角を伴つて/首に付けた腕章は/未だ解ける事の無い簡単な印/ 身体は承諾せしとも/世間への彼の紙切れ/其れ自体結べるものぢやないでせう?

2003/03/11 (Tue)

[33] 窓際三平方センチメェトル。
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彼の四角い空を楕円に刳り貫いた夜
日ノ出待つ逮夜
此の蜜月
爛熟した溢れさうな月
貴方の耳朶と宵待草
空仰ぐ君
愛情の発露

くすんだ町は蛍光灯を下げ
君を待つ
白夜の夜明け
連ねられた夜と謂ふ不穏な文字
貴方の傍にゐる事は変らず
巧く往かない 適わない調教

軋む扉と現状との対比
変る事無い難解な状況
肩に掛かる 草臥れる労働と
又鬱ぐ明日ノ日の予測されし単調な日常
いつそ此の儘飛び降りやうか

侘しさ覗く
不可思議な此の関係
欲しいものは其れぞれに
無いもの強請りの強者に成れ。

2004/06/15 (Tue)

[32] 不如帰/ホトトギス。
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梔子/慕情/不如帰/虚しく囀る籠ノ鳥/曲がりくねつた/彼の鋼ノ檻・正しいもの等此の世に欠片も無いのだ/妾が無くした彼の人だけが/妾の総てを/否定し/嘲笑つて下さるから/不安定な情緒/不定期な御来迎も全く気に致しませぬ/但/妾を視てゐて下されば・繰り返される視線の交換より/唯一回の接吻で良い/湿度の高い逢瀬より/寧ろ乾いた寝台が好い/悲しく成る理由付けた禁欲より/直接的な間柄が善い/後ろめたい事等何一つ無いのだ/此処に敢へて記述する必要性も無いのだ/穿たれた小さな穴から無限に貴方は広がる/何も残さず。

2003/03/09 (Sun)
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