詩人:是清。 | [投票][編集] |
腐り掛けて/やツと今/並べられた献花の中/貴方ノ声を思ヒ出す/ 未だ微かな弧を描いて/不思議な円ヲ描き出す/くぐもツた重低音は/店の淵で/年代物の虚し気な/公衆電話から/飽きもせず生み出される・だうして貴方は其のやうに/白いのだらう/不可思議な白昼夢ノ中/近所の川を眺めテは/虫ノ知らせ思ヒ出す・棺の中の偶像に/何の感情も湧かなイ/有り難イ説法も/妾と夢を繋ぐパイプラヒン/断ツて断ツて/未だ此処に繋イで居た/細イ糸は切れた/妾は告げた/「是が始まりなのだ。」と/惨めに/泣き荒ぶは彼のひとの/正しイ隣ノ席ノひと…。