詩人:是清。 | [投票][編集] |
穿たれた惜し気も無い空の穴
草臥れた使ひ古しの明日を
僕等は未だ夢見てゐる
繋いだ指から流れ込む哀愁と君の体温
最早奪はれてしまつたら
僕は何処へも往けない
配られた白紙の彼の町への地図
手放した彼の鳥は今何処を彷徨つてゐるの
確かめる術は全部君の中で
堂堂巡りをしてゐる事に
未だ気付かない背中
書き蓄めた/嘲笑の言葉は
呆れる程の虚飾を纏つて
崩れさうに君は微笑む
挫けさうな僕に
「下らない」
さう呟いた君が
倦だる熱と/勢いに身を任せた
誰も此の指の先に在る世界を知らない
此の冷たい柵の先を
唯曇らない君の影を。