詩人:サトリ | [投票][得票][編集] |
聖なる夜が近付くと
彼らはみな重たい腰をあげ
準備を始める。
夢見て眠る子供達に
素敵なプレゼントを届る為に。
真っ赤な衣装に着替え
立派なあごひげを整えて
自慢のソリを掃除して
トナカイ達を連れだして
夜の仕事に向かう。
まずはこの家からだ。
『さてさて靴下は何処かな?』
しかし見当たらず
ふと机を見ると
新しいとばかりのパソコンが。
『ここはいらんか。』
悲しげに部屋を去るサンタ。
次はこの家だな。
『さてさて靴下は何処かな?』
しかしまたしても見当たらず
ふと枕元を見ると
ブランド物のバッグが。
『ここもいらんか。』
哀しげに部屋を去るサンタ。
『やっぱり今時人形は古いかのぉ。』
次の家にもその次の家にも
もちろん靴下などなく
あるのは高級そうな物ばかり。
結局@つもプレゼント出来ないまま
サンタは仕事を終えた。
サンタはふと気付く。
『そういえば去年もプレゼント出来なかったのぉ。』
悲しいとばかりにサンタの頬が光る。
そしてサンタは真っ赤な衣装を脱ぎ捨て
‥眠りに就いた。。