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清彦の部屋


[111] やまない雨の記憶
詩人:清彦 [投票][編集]

やまない雨は ないんだよと

貴方を浮かべて語りかけていた

死ぬほど退屈だった故郷を出て

冴えない歌を都心の路上に響かせた


心に吹き荒れる嵐

誰かに会いたくて仕方なかった

愛って結局 何なんだろう?

考える程に もがき苦しんださ


押し寄せる現実の迫力ったら

気付いたらあるとき

違う街でホームレスをしていた


悲しいやら愛しいなんて

そんな場合じゃないんだ

空腹に勝る欲求は無くて

眠る場所は必死で探した

そんな生活から抜け出したら

贅沢のありがたさに気付いたよ


それでも 未だ時折

僕の心には雨が降る

時にはあの頃の嵐が吹き荒れる


仲間を大切にしたり

世の中を幻だと思ってみたり

そしてまた誰かに恋に落ちたり

ギターを持ってライブしたり

自分は何者かと模索した

ヒラヒラ

サラサラ

風の音に耳を澄まして

身体と心に問い続けるんだ




やまない雨はないんだよと

貴方を浮かべて語りかけていた


愛しいも苦しいもひっくるめて

儚い儚い、ひとつの夢

色々な何かに

依存、執着しながら生きていく

一瞬の、儚い夢

ヒラヒラ

サラサラ

そんな夢の続きに

未だ時折

あの頃そして貴方を思い出すのです

2015/08/19 (Wed)

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