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清彦の部屋


[112] バラエティ
詩人:清彦 [投票][得票][編集]

カップラーメンをたいらげたら

げふんっとゲップを一発

下らないバラエティにはうんざりだが

リモコンは探すのも面倒臭い


散らかりすぎて片付け方がわからない

だから今日も寝っ転がるのさ

下らない番組

仕方なくしばらく眺めていたら

なんだか少し笑えてきた

決して面白い事など言ってないのだが

なんていうか

笑うしか無かったんだと思うんだ



たった数分前の出来事なんだけど

ちょうどお湯を沸かし始めたら

電話が鳴って 出てみたら

昔付き合ってた女だった

『結婚するの』と唐突に

言われたもんだからさ

唖然としてる間に

彼女は喋り続けた


相手の事や少しの昔話

沸かしたお湯が沸騰して

『ありがとう』を最後に通話が切れた


換気扇が湯気を吸い込んで

呼吸のように外へ吐き出すんだろう

お湯を注いでから1ラウンド

遠い記憶を思い出す

食べてる最中の事は覚えてない


失ったものや得たものは

どうやって計ればいいのだろう


社会では幸せの尺度を

どう解釈して運営するのだろう


ひとりひとり価値観が違って

その度に解り合って

だからこそすれ違って

何かを探すようなこの暮らし


何が正しくて何が間違いかなんて

そもそもどうでも良いのだと

思い知ったひととき


それでも選択した運命を

受け入れ明日を生きてく

それしか無いんだ



今日も風が吹き

その度に

木葉が揺れる




2015/09/23 (Wed)

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