詩人:清彦 | [投票][編集] |
サイコロ
転がる
カチカチ、コロコロ
自動車が 絶え間なく横切る
大型のトラックが
視界の向こう
一瞬、空ごと遮って
また光と共に
現れた
我に返すような
排気ガスのにおい
独特な嫌気がした感覚
そんなに急いで、
システムの上を決められた通りに
進むしか無いのだろうか
サイコロ
転がる
カチカチ、コロコロ
この転がる転がりなる現象は
決められた物理法則を
決められた通り動いて
投げた瞬間、
いや、
実は
投げるよりずっと前から
あらかじめ
決まった答をもっている
それならば
僕らの意思はどうだろう
僕が愛したすべてはどうだろう
僕はまだ転がる途中でありたい
たとえ
すべてが決まっていたとしても
僕は僕の見えない未来に
あらゆる可能性を含めた
あらゆる答を含めた
僕でありたい
夏が終わり
君は去った
僕は僕として
懸命に何かを模索して
暗闇の中を
あらゆる光を頼りに
掻ぎ分けながら進むだろう
サイコロ
転がる
カチカチ、コロコロ