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清彦の部屋


[126] シャワーの中
詩人:清彦 [投票][編集]

悲しみよ飛んでゆけ

僕にしか聞こえない轟音で

激しく鼓動を揺さぶる痛みごと


火の熱 夜の静けさ

人のやさしさ うなだれた向日葵

波打つ市場の変動や

渦巻く欲望の嵐も

みんなみんな、溶け合い、静まれ



財布までもが生きているように

じゃらじゃらと

小銭を吐きながら泣いている


愚かなものだろう

後悔はいつも失ってから始まる

これ以上、意味を成すことも無い対話が

青、橙、黒に染められて

明日、また新しい僕に

書き換えられるのだろうか



もう、

疲れを纏ったくたびれた身体を

シャワーが勢いよく叩きつけて

湯気が視界を遮って

まるで、初めから

「ずっとここに居たんじゃないか?」

って

錯覚させてくれる



静まれ

僕にしか聞こえない轟音よ


悲しみよ飛んでゆけ

激しく鼓動を揺さぶる痛みごと


愛した人など

初めから存在していなかった

今、この僕に

愛してる人は

存在していないのだから



2015/10/14 (Wed)

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