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清彦の部屋


[128] 波の音に包まれて
詩人:清彦 [投票][編集]

手の上に砂

風に乗ってサラサラ

溶けていくのに

強く握るほど指の隙間から

こぼれてしまうのは何故



僕らには何事も決して

自分の物には出来やしないんだね


時に掴めたとしたって

それは儚く

幻だったみたいに

僕の手から離れていく


風に溶けていく姿を

ただ ただ

見送るしかないんだ



そして、しばらく立ち尽くして

少し何かが解った気がしながら

遠くを見つめるんだ

語りかけてくるような

波の音に包まれて


2015/10/16 (Fri)

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