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清彦の部屋


[144] 青く遠い日々に
詩人:清彦 [投票][編集]

信号が替わって向こう側から

同級生とすれ違い様

「何処へ行くの」と聞かれたから

「散歩だよ」って返した


休日の午前中は穏やかな空の下で

歩く速さも自由でゆっくり流れていた



今朝見たニュースでは

何処か遠い国で

戦争が始まったって

語っていたけれど

変わらない青空

僕にはわからなかった

日々に 日々に 日々に



あの駐車場を曲がったら

電柱通りの登り坂

あのコンビニのあるところは

その昔駄菓子屋さんだったらしい


代わる代わる景色を眺めて

ゆっくり歩いていたけど

約束の通りの時間と場所には

君が立っていた



笑顔で手を振って

君が駆けてくる

僕は何でもないような顔で迎えたけど

本当はもうずっと

会いたくて仕方なかった

君に 君に 君に



流れる曇のあり方は

自由な気がしていて

形さえ思うままだったのなら

どんなに嬉しいのやら


ソーダを買おうよ

店に向かったら

さっきすれ違った同級生が

自動ドアから出てきた



慌てて手をとって

君と駆けてゆく

今までの景色が巻き戻っていく

このまま もう ずっと

どこまでも駆け抜けていこう

ふたり ふたり ふたり


僕らの青春は

流されてしまったって

今までとなにひとつだって

変わらないものがある

あのまま もう ずっと

ふたりは駆け抜けていた

日々に 日々に 日々に




2016/01/13 (Wed)

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