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清彦の部屋


[163] 傘の中
詩人:清彦 [投票][編集]

どれだけ平然を装っていても僕ら

お天気は操れないさ

空は怪しい雲行き



結局、

偶然に出会って

恋に陥ってかき回す無様


水たまりに映る僕の姿は

乱れる景色、恋模様?

そうだ、それは虚妄に偶像なのだと

噛み締めよう

今度も

これからも何度でも

雨が降るたびに



恋よりも愛で


優しい諦観の眼差しで


すべてを眺めていこう



そこに咲く紫陽花のように

感謝も恨みもないね

ただ、憂い、慈しみ、彩りを演じる


それでも

その美しさに心を奪われて

ほんの少しだけ立ち止まった

雨の中

遮断する傘の中




2018/06/16 (Sat)

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