詩人:ライカ | [投票][得票][編集] |
今日 久々に土に触り
緑の小さき者どもの生を
存分に絶った
空は嘆きの色に濁り
風は嫌悪の温度で吹きつけ
湿度だけはむんむんと
汗を滴らせた
これはとんだ被害妄想だが。
そんなとき
仲間の鎌が
細長い柔肉を
誤って叩き切った
暴れ狂う
踊り狂う
千切れた身は
長短に別れ
短いほうの身は
動きを止めた
死 か
仲間の謝罪の言葉は
あまりの軽さに宙に立ち消え
これが例えば
今 舞い上がった小鳥であったなら
なんとも
苦く
にがく
罪の意識は湧いて
それでも 結局の所
生きゆくうちに
忘れるのだ
それは
自己投影
でしかあらず
みてくれの近さで
それのしやすさが決まる
この庭にある
過去の
「人間」 の
銅像を
蹴り倒して
鎌で叩き割ったなら
蚯蚓を
切り裂いた以上
罪と感じるだろう
日常気付かないふりをして
他の生を奪っている
例外なく
身勝手な 罪と偽善に浸るのは
感情を持つ我々だけだ
数時間後には忘れ
久々に履いたスニーカーに
剥げかけたペディキュアを
忌々しく思う
身勝手な生き物