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ライカの部屋


[57] 草むしり
詩人:ライカ [投票][得票][編集]

今日 久々に土に触り

緑の小さき者どもの生を
存分に絶った


空は嘆きの色に濁り

風は嫌悪の温度で吹きつけ

湿度だけはむんむんと
汗を滴らせた



これはとんだ被害妄想だが。



そんなとき

仲間の鎌が

細長い柔肉を
誤って叩き切った

暴れ狂う


踊り狂う


千切れた身は

長短に別れ

短いほうの身は
動きを止めた



死 か



仲間の謝罪の言葉は

あまりの軽さに宙に立ち消え


これが例えば

今 舞い上がった小鳥であったなら

なんとも
苦く

にがく

罪の意識は湧いて



それでも 結局の所
生きゆくうちに
忘れるのだ



それは
自己投影
でしかあらず

みてくれの近さで

それのしやすさが決まる




この庭にある

過去の
「人間」 の
銅像を

蹴り倒して
鎌で叩き割ったなら

蚯蚓を
切り裂いた以上
罪と感じるだろう



日常気付かないふりをして

他の生を奪っている

例外なく





身勝手な 罪と偽善に浸るのは

感情を持つ我々だけだ




数時間後には忘れ

久々に履いたスニーカーに

剥げかけたペディキュアを
忌々しく思う




身勝手な生き物




2006/06/10 (Sat)

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