詩人:ライカ | [投票][得票][編集] |
白く味気のない
11番目の扉の奥は
黄色く腹の突っ張った熊の穴ぐらで
あのこは
熊やら
オレンジチークやら
ピンクシャドウやら
大柄な体を
カラフルに囲まれて
肩身狭くして
生きている
初対面の感想は
「笑顔製造工場」
で
それは
彼女なりきの
ショセイジュツ
であろうと
つめたい言葉で
ふりわけた
日々
笑顔を製造する
あのこに
わたしは 学んだ
沢山笑う人は
居心地の良いズレた空間をつくり
自分は
「人間」のいない処で
笑顔の 倍以上
厳しすぎた過去に
泣いて いる
笑顔を切り分けて
日々の糧を得、
涙と
無表情と
一緒にそれを飲み込んで
背を伸ばした
誰より 強く
弱くて
もろく
やっぱり 強い
愛やしあわせは
幻想だとしても
それに準ずるものは
きっとあると信じて
彼女の上に
やさしい春の雨のように降り
「いつものように笑っていたら
いつの間にか
心から
しあわせが溢れていた」
そんな時間がきてほしい
そんな奇跡は
あっていい
こんなに屁理屈屋の私が
そう思うのだ
あのこは
そんなこだ。