詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
下着姿とパンツ一丁で
歯を磨く親父
髪はボサボサ
脂臭い
だらしなく寝そべってクーラーを強にした部屋
脂汗をかきながら
しばらく暑いななんてつぶやいてる親父
たいして収入もあるわけじゃなく
それでも親父は満足げらしい
最低限の生活に収まっていられる事が幸せだと僕にいつも事あるごとに話して聞かせる
親父の一日がいつものように終わる時
親父が何をしてたのか
興味はないけど
聞くともなく聞いてみた
親父は内緒だ内緒とと言いながら
やっぱり朝と同じ
下着とパンツ姿で
尊敬こそしないけど
なんだかそれで親父は親父らしいと思える僕がここにいた
母はどうしてこんな親父に惹かれたのかはわからないが
ふたりは似合ってるとは思うのさ
のんびりマイペースで勝手なところが
似てると思うのさ
そしてその遺伝子が僕にも流れてるから
今僕も大人になって
真似するともなく
下着とパンツ姿で寝転がっている
そりゃもうだらしなく
そりゃもうだらしなく
にやけた顔で思わず笑ってしまった
何となくねうれしくなったから。
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やることもなくただなんとなく過ぎゆくままに終わらせる毎日
テーブルの上のコップに半分だけ注がれたミルクのように
真っ白な汚れもない少年でいられた日からだいぶ年を取り
忘れまいとしたあの日感じたその場限りの楽しい記憶
大人になった僕は都合よくだんだん少しずつ忘れてく
曖昧なほどのこれから先の未来の構図
知らず知らずの間に僕は夢さえ見なくなった
しまいにはそれを悲しいと思うこともなくて
行き過ぎていく淡々とした日々の中で
やることだけやって
後はただ寝てるだけ
夢のない空っぽなむなしい夢の中
起きて寝て起きて寝て
繰り返す日常
つまらないとは思ったりするも退屈紛らすモノさえ僕にはみつけられなかった
コンビニへ買い物にでる
週刊誌とおにぎりとペットボトルのお茶をレジに出す
大きなあくびをする定員に金を払う
買い物袋ぶらぶらさせて
寄り道せずにいつもの道で家に帰る
いつの間にか空は夕暮れ
そうやって僕の二度と戻らない今日が
静かに静かに幕を下ろしていく
明日の予定もまだ決まってないのに
時間は待つこともなく立ち止まる僕を置いて
先へ先へと急ぐ
平日となればまた誰もが忙しく忙しく動きまわる
その合間合間につく溜息は自分でももどかしくなる位になま暖かかった
ろくに磨きもしないから黒ずんだ鏡のぞき込んだら見えたのびてきた顎髭
退屈な日々
憂うつな日々
倦怠感に飲み込まれていく
僕を置いたまま
時間は先へ先へずっと先へもっと先へ
そしていつか寂しい終わりへ連れていくだけさ
忘れてはまた思い出そうとするも面倒になって
やめては思い出せなくなるから忘れたまま記憶は遠ざかる
覚えているのは昨日の晩飯くらい、さ。
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ゆるりと進むこの道
後を追うように君が背中にしがみつく
だらりと過ごす日々
振り返るかのように過去に想い馳せる
立ち止まる場所はたどり着くはずの先から大分距離を保ち
返ってくる言葉はいつも大人達の溜息か舌打ちか
行きたい場所はどこなんだ?
叶えたい夢はどんなものだ?
留まらず次から次へと増える新しい事
わからないことは何なんだ?
理由は? 意義は?
利益は? 意味は?
意味なんて無い
価値なんて知らない
ただ僕はゆるりと進むだけ
進んだ数だけ息をつくだけ
行き方は人それぞれで
生き方も多種多様で
決まりやルールなんてない
最低限の人間らしささえ持ち合わせていれば
ゆるりとゆるりと
季節は流れ流れて
ゆるりとゆるりと
時間を連れ連れて
僕はあるはずもなく見たこともない
桃源郷を探しに旅するよ楽しみながら
食べては寝て食べては寝て肥った牧場の豚になる前に
夢の中でロースハムにされてしまう前に
現実へ戻り戻って
目覚めた瞬間僕は僕でいられること
痛切なるままに心にあふれる幸せの光
深く深く息を吸い
吐き出した瞬間
世界は目の前の窓の外変わり変わっていく
そしてまた僕は少しして歩き出す
宛もない旅の途中で
目に染み入るほどの真っ赤を背にして
僕は心地よく気持ち良く笑顔を空に返す。
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不安な出来事はこの先も長く続く
それは一つまた一つと数を増すために生まれてくる
いつか終われる日それだけを待って
それでも僕は何度だってその不安の前に敗北する
白旗をあげても責任からはどうやら逃れられないらしい
それを越えた先にあるまだ見ない不安
それはまるで合わせ鏡の世界
延々と続きある日ある時僕は冷たい抜け殻だけを残して
不安だという感情すら全ての感覚を失うことになる
落とされる先は不安の溜まり場か
地獄の釜の中か
つづくよつづく
不安は僕を飲み込むために僕を弱らせて
最後には一口で丸飲みする気だ
逃げられはしないんだ
どんなことをしたって
自ら不安の先の奈落へ身を捧げる以外は
それでもきっと残された人が悲しむだけだろう
自分だけの悲しみならばいいけれど
きっと誰かが変わり果てた自分を不憫に思うだろう
もう不安だという感情すら届かぬ
そんな永遠の暗闇へ落ちていってしまったのだから
そしてなにより落ちてしまった以上もう戻れることはないのだから
つづかず終わる
もう始まることもなく
ばかな道を選んだ僕を責め立てることもできず
ただただ泣き崩れるのみだろう
ただただうなだれるだけだろう。
「落ちていった僕のせいで母は泣き、父は後を追い首を括る」
それは全て僕の責任であり僕の向こう見ずな勝手な判断のせいで。
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気持ちに左右され変わるめくるめく表情
僕はいつも悩まされ続けてる
可愛らしいわがままに
両手をふさがれ振り回されてる
笑い 泣き 怒る
喜び 怒り 哀しみ
そして思い切り何かに打ち込めば楽しめるだろう
今日を終えるその前に
夜が明けてしまう前に
君のその怒った顔を笑顔に変えたい
宙に浮かぶ無酸素状態の無重力の部屋
ぷかぷか浮かぶ言葉の中からさっとつかんでどれか選び出して
それを君に伝えよう
伝えるのさ
その場にそぐわないPOPな音楽を流してさ
good・choice、選び出してさぁ君に届けとばかりに
good・choice、選び出したらもう君へ飛んでいけとばかりに
ふたりの世界へいざゴーゴー
旅立つための荷物まとめたらいざゴーゴー
梅雨が明けたところで
さぁゴーゴー・ゴーゴー。
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夢の中でつかんだ光はとても小さく
僕の胸の奥で今もほろ苦く残るもの
わずかにそれは微弱な電波を発して
僕の抜け殻だけを残して魂ごと浅い眠りへ誘う
帽子の鍔で恥ずかしそうにほほ笑む君は
懐かしいあの歌を知っていた
君と虹の上に座り忘れてたはずの歌を口ずさむ
ちゃっかりそこにいてギターを鳴らす黒猫はよく見れば近所のミーちゃんで
思い出はいつも僕に背中しかみせず
しかもそいつの背中はまるで三日月のように曲がっていた
夢の中で見る景色
見えない透明の糸で吊り下げられた月は裏を返せばただの厚紙
ああ、
遠くのほうで君がさよならの合図を僕にくれる
坂道はどうしてって位急すぎてその夢の中へは二度と返れない
君に逢うのも今夜がはじめてで最初で最後のふれあいさ
明日は明日の君と歌うよ
今夜の君はもうこの先逢うこともなく逢えることのない
今夜限りのドリームパートナー。
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いろんな見方でひとりの君を見ていた
まるでえらそうな政治家みたいに
君だけをずっと見ていたよ
僕が今言うつもりの言葉はきれいごとかもしれない
でも、気持ちを全部吐き出すにはこの言葉が一番合ってるって思ったから
愛を君に 僕が持ってる限りの想いを君に
全部が全部ウソであるならきっと僕が今君とこうしてる時間もありえなかったろう
君と行くこの先の道広がる世界は想うほど上手くはいかないみたいだ
それでも僕らは空に愛を誓う
思いきり伸ばした手はあの白い雲すらかすめられないくらい遠くあるけど
この広い世界の前ではいつの時代も
僕らはちっぽけな存在なんだろう
それでも一人一人がかけがえのない貴重な存在でもあって
少しややこしくて
でも理解するだけなら簡単なことなのかもしれない
君も僕も小さな大きな存在さ
それだけで片付けられれば楽だけど
過ぎ去った昔思い出しながら流す涙はきっとそれを許さない
こんなにも見上げる空は青く澄むというのに
夢はまだ遠すぎて少しだけ胸の奥がふるえたよ
今僕は胸に手を当て生きている証感じてる
そして君という大切をいつもいつでも気づかないふりして感じてる
涙を流すその心のどこかで感じてる
明日も明後日も
日が暮れて心なしか淋しくなった夕方も
新しい今日の始まりも
今日が終わるときも
いつもいつでもどこにいても
空に浮かんだあの雲のように真っ白な心で
僕はこれからもずっと生きていきたい
ちっぽけなように弱くみせたりね
たまには強がってみせたりもして
僕は君ともっともっと生きてる喜び感じたいよ。
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遠回りして帰ろうよ
街の灯を連れてさ
遠回りして行こうよ
手と手を繋いでさ
帰ろうよ
ほんの少しの時差で君と長くお話できるから
遠回りして帰りたいのさ。
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僕の部屋にたまには遊びに来ないか
たくさん遊び道具なら用意するから
土日にでも遊びに来てよ
この頃疲れることばっかしで性格どころか心までも冷たくなってしまうから
君にいいたい言葉がありすぎてさ
一度じゃとても言えそうもないから
できれば毎週僕の部屋に来てほしい
お菓子や話の種は僕が準備するから
どうでも良いくだらない話じゃなくて
退屈しないことを約束するよ
だから僕の部屋に遊びに来てよ
嫁に来ないか?
いずれは言いたい
でも今はただ君と遊びながらいつか話すよ 早いうちに
お菓子を君が食べ終わったら
観ている映画がエンディングをむかえたら
君に言うよ
嫁に来ないか?
多分少し声をふるわせながら君の返事をじっと待つよ
僕は待つよ
何時間でも
何週間でも
答えがでるなら
僕は待つよ
この部屋に君がいること当たり前になるまで
朝起きたらおはようと君が言うのが日常をなるその日まで。
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僕は今どこへ向かって歩いてるんだろう
寒がりのくせに強がって寒い部屋に閉じこもって
子供みたいにいつまでも膝抱えてる
どうしていつも
こんな結果になる
こんなにも僕はがんばっているつもりなのに
どうして認めてくれる人がいない
空すらあんな遠く
夢なら尚更はるかに
僕をただやることだけやらせて疲れさせるだけ今日も明日も
迷い道 戻れずまた迷う
夢を捜して約千里
急ぐ道 突き離されるからよけい急ぐ
だんだん日は暮れていき
見上げる頃には気づけば空は真っ赤っか
夕暮れがカラスですら巣に帰すというのに
僕は帰る居場所さえなく
ただ迷い迷わされ帰れぬ家路
ああ 迷い道
明日も多分 迷う道
繰り返し繰り返し 迷う道
遠く揺れる影
沈んでく太陽
昇ってきた月
そしてまた 迷う道
何度も何度も迷う道
迷い道。