ホーム > 詩人の部屋 > 甘味亭 真朱麻呂の部屋 > 新着順表示

甘味亭 真朱麻呂の部屋  〜 新着順表示 〜


[1209] とてつもなく長い夜
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


薄暗い部屋ソファーに横になる僕
猫が眠そうにちいさくあくびをする
時々あまえるように鳴いている
電話のベルが鳴ったのも気にせずお留守番をする子供のように
じっとしてうつろな瞳で窓の外思い出したみたいに眺めて
ボーッとしながら一日中をこの家で過ごす

頭の中散らかっている問題は
明日になってもきっと良い答はでない
投げ出してはのぞき込むように横目で確かめるんだ
本棚の上の色あせたウサギのぬいぐるみが首を擡(もた)げて
元気なくうなだれてる
欲しくて買ったものなのに今の自分と同じ様に
長い時のその間にすっかり色をなくして
忘れ去られたかわいそうなウサギ
本当に自分と同じだな

比べ比べられながら
いつだって他人より勝ったなにかを持っていたかった
見栄や意地を張り
何度も何度も傷つける言葉をきみに言ってしまった…

そうやって
とてつもなく長い夜は音さえもなく更けて朝に変わる
吐きだした溜息の数だけ不安はあり
目をつぶっていても逃げられやしないから
不安をむりやり飲み込んで
でも心がうけつけなくてむせるから涙がでて溜息をまたひとつ吐きだす
とてつもなく長い夜の終わりに
きみとの話題をさがすもみつからないそのもどかしさに胸を痛めてる

明けていく空の色
町は目覚め始める
そしてまた僕は溜息をこぼしながら
重い足で出かける
ふたたびとてつもなく長い夜が訪れるまで
窮屈な社会の中
生き延びるため僕は動きまわる
笑い方さえ忘れそうになりながらも
愛想振りまいて動きまくる。

2007/06/27 (Wed)

[1208] それはごく自然に
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


思い通りにいかない
何もかもうまくいくわけじゃあるまいし
だから僕をふくめ誰もが迷いそして悩むんだろう
なんとなく辺りが暗くなってきたら
眠れば良いだけだろう
そして窓の外にお日様が昇ったら起き上がって朝飯の支度でもするさ

ちいさな灯りを心にそっとともして
こわくないように離さずいつも思い出してさ
手懐けた犬や猫のように一言返事でばかみたいにそれじゃあ…

瞼をぎゅっとつむって開けるみたいに
気づいたら陰気くさいこんな大人になっていたよ
君に話した数ある嘘の中のごくわずかな本当を今すぐ増やしたいよ
今からでも遅くないはず
僕らの愛がさめてなければ
きっともう一度、時間も忘れるくらいおしゃべりができるね

うつろなまなざしで曇り空をみてた
降り注ぐ天気雨は気まぐれで
止んだり降ったり繰り返すよ
まるで君みたいだ
そんなこと言ったら怒られるけど
君がいない今だからこそ言えてしまう
誰にも内緒でさよならしたよ
このままきっと幼いわがまま通してつなげれはしないだろう
ふたりでそう決めたのだから仕方なかった
どうにもできなかったよ

それはごく自然に
お別れの日が突然にやって来た
降り止まない五月のじめじめした湿気でやる気も起こらずダラダラと過ごしてしまう
君の居ない薄暗い部屋の隅っこ
丸まった背中で雨音の奏でるメロディを聴いていた
あぁ ワンパターンの静かなリズムが今のこの部屋には似合っているね

それは
ごく自然に終わってしまった
あぁ たださよならの一言でいさかいもなくカンタンに終わらせた。

2007/06/25 (Mon)

[1207] 脆い
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


脆い、

何もかも脆い

命も、夢も、愛も

すべてが脆い

ただ単純に日々を過ごす中で

決められた事を決められた分だけこなす

そして限りとなれば簡単に人は逝く

愛想よく笑って出かけたあの娘も白くなって産み落とした親の前で棺の中横たわる

あぁ、脆い

呆れてしまう程脆い
同情する程脆い
脆すぎるよ

だから
あの娘もあの人も
脆いが故に逝ってしまった
けれど、脆いだけに
彼女が見せた最期の笑顔はなによりも尊く
そしてなによりも愛すべきものだった事

きっと産み落とした人は忘れない
憎しみよりも悲しみに暮れた日から遠く来て思い出す日も
自分より先に逝ってしまった事
あの日流した涙
最期の笑顔
ぜったいに忘れられない
きっと忘れられない
自分以上に大切なものの存在を忘れはしない
だから想いはいつもここにあり
そして彼女の笑顔もここに残る
ずっと ずっと。

2007/06/25 (Mon)

[1206] 雨、ふらり(後半)
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


心の叫びは僕よりもずっと、意外に社交的で
この溢れ出る涙の意味は僕にしかわからないけど
何一つ無意味なことなどないように
それでも僕の存在は雨に曇り時おり見えなくなる
ぼやけて見えなくなる
目をこうして細めても
そこに見えてる誤りにただお辞儀をするだけじゃ
きっと許されないよなぁ
俺のそんな気持ち、もう一人の僕は感づいてくれてるみたいだけど…

あぁ
雨、ふらり
霧のように走る車に降りかかる
走り去る時間
止まったままの壊れた腕時計
正しいことだけ考えて突き進んできた
あなたには僕の傷みなどくだらなく思うんでしょう

何かを人は追いかけてさ
その何かに当たり前のように笑ってさ
本当の自分引っ込めてさ
それが大人だって
誰もが言う
それこそ当たり前のように
常識よりはるかに最下位の暗黙の約束のように
あなたは冷たい目をして
僕に言うだけ
誰もがそう、言うだけ

何でもないさ
どうせ解っちゃくれないんだろ
なよなよした声で
空が泣くから あぁ
僕は悲しくなっただけ
不意に悲しくなっただけ
そうやってまた本当の気持ちごまかすように
心の引き出しの奥にしまった
このまま雨はまだまだ降り続くよ

常識的価値を見定めるみたいに
いつも不安は振り返ればそこにあって
気づかない内に引きずり歩いてる
いつの間にか心さえ不安で満たして

あぁ
だから、悲しくなる
だから、せつなくなる

目の前には雨、ふらり
交差点には人、だかり
薄暗い世界
おそろしいほど静かな街
ああ、雨が降ってる
ああ、明日も止まずに続けて降るらしい
無意識につけたラジオからこぼれる声
静かにだんだん混雑する高速道
僕は独り眠そうな目で空をみる。

2007/06/24 (Sun)

[1205] 雨、ふらり
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


解らないことは解らないままで
ずっといた方が幸せなのかもしれない
無理に理解しようとしなくても
なにも言わずに傷つけることもなく
消えてしまった方が楽でもあるしなぁ あぁ

心は降り止まない雨水で満たされて
今にもその重さで倒れてしまいそうさ
道理や常識に埋め尽くされた世界に僕はいて
悩み苦しみそして時に自棄になる
現実なんてしょせん幻さ
消えてしまえばいい
何もかも楽しかった思い出さえも、なんて思っても楽しいことがあれば笑うんだろ

あぁ
揺れては陰る不安
様々な形でもつれ合いながら
僕のこのちっぽけな存在自体までもを無にしようとする
ちゃんとここにいるのに
気づいてくれるのは鏡に映ったもう一人の僕だけ

見えない答を探そうとするけど
まだ覚えきれないことまで気にするから想いは先走って空回り
気づけば都合のいい言い訳でごまかしたりする僕
言葉でだけならなんとでも言えるね
でも気持ちはきっと偽れないごまかせない

ねぇ
いつでも僕は不安なんだよ
誰も気づかない場所で悲しんでる
解ってくれだなんて思いはしないけど
それでもここにいる僕の存在を消してしまわないで
ちゃんとここにいて空っぽじゃなく
何かを想い、そして何かに悲しんでる
何かに喜んでる
みんなと何一つ違わずに

2007/06/24 (Sun)

[1204] 恋する花びら
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


さびしそうに揺れる街の灯は
さめた僕の頬をなでて何気なくいやすよ
言いそびれたことはまだこの胸の中
もうずっと前から素直になれるのを待っている

あーぁ、言葉にすればとてもカンタンに終わるね
あーぁ、言い終わって断られる時間さえたった一瞬だね

長い間、秘かに君を想って
言えずに終わってしまうそのたび胸を痛めていた
あぁ、君の知らないところで
こんなにも僕は思い悩んでる
書いては捨て書いては捨てたラブ・レター
とうとう一通さえ遅れなかったよ

"好きです"の一言さえ
すんなり言えてしまえない僕は
これからもこの先もこんなふうにじれったくいるのかな
チャンスはいくらでもすぐ側にあるのに…

あーぁ 君を実は好きです…
誰もいない校舎裏
ひとりだけで言ってみても
なんだかぎこちなくてさ
自信もなくてさぁ
離ればなれの関係
なにも知らない君から見れば
僕はただの友達
心の中、
占う最後の花びらは風に散っていく
あーぁ、恋も散っていく
勇気のない恋が散っていく。

2007/06/24 (Sun)

[1203] 名のない詩
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


名もない詩です

悲しい詩です

夕暮れの色よりも淡く切ない色です

きっと
私以外の他人には到底、理解できないでしょう
この気持ちを、傷みを理解するには
感じられなければ解るわけもないから

名すらなく

抜け殻のように空っぽかもしれない

でも
その人にしか解らない傷みは確かにあるんです
伝わらないとしても
確かに想いは詩の中に秘められているのです
だからこそ私は少しでもその人の気持ちを解りたい
ほんの少しでも解りさせてほしい
何年かかっても
僕は解りたい
その人の込めた
この詩の想いを。

名のない詩です

でも
ステキな言葉達の集まりです
楽しく踊って輝いて
時にはしょんぼり悲しくさせたり切なくさせたり色々です

この詩は何かを教えてくれます
たとえ名などなくても
この詩は僕に何かを教えてくれてます

それが解るまで
私自身も名無しであり
詩人だとは胸を張って言えません
だから私はひとりの人間として
この詩の気持ちに近づきたい
言葉の持つ意味を
詩の奥の奥に秘められた想いを解ってゆきたいのです。

2007/06/24 (Sun)

[1202] 記憶の部屋
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


そこにある筈の可能性に手を伸ばすことが
とても恐いのです
今僕は恐いのです
様々な不安の形
僕の中でとぐろを巻いて複雑に絡まる

辿り着けば
いつでもそこは暗闇
気づいたときには
もう後戻りできない現実の中
夢の中、鏡の世界、鏡に映る僕が泣いていた
ずっとずっと続いている鏡に映るどの僕も同じ様に立ち尽くしながら
涙しながら時々うつむいて泣いていた

おどけた表情の道化師の励ましは僕には何のやさしさも感じられず
僕は無視をして三角屋根のサーカス小屋から出る

全くの無秩序の世界、
ルールさえなく
毎日のように人は残虐行為を繰り返し
やりたい放題の夢の中

小熊のぬいぐるみはおじさんからのプレゼント
継ぎ接ぎだらけの小熊はなんだか不満そう
机の上のオルゴールは途切れ途切れにぎこちなく鳴り続ける
メロディは聞き取れるが
何の歌かはもう思い出せない
記憶の部屋は楽しい思い出ばかりを詰め込みすぎて
もう今にも破裂しちゃいそうなくらいだ

夕焼け空、たそがれ時、赤い風船にくくりつけられた小包の中身はきっとこの世界に生まれ落ちる前に逝ってしまった
つけられることもなく捨てられざる得なくなった
その子たちの名前だろう
風船はやがて破裂するから
記憶の海に落ちて
それは暗い海の底でまたつけられることを待つか
永遠に沈んでいるかどちらかの運命をたどる

砕け散った記憶の破片が心に刺さって抜けない
残りのなくした記憶は刺さって破片の痛みを伴いその後遺症で思い出せない
後はただ過ぎ去る季節の悲しみを風に流し
夢さえ見れなくなる眠りに着くまで
僕は夢を見て、現実では忙しく働きます
暇つぶしのように好きなことをし、遊びながら
今日もまた同じ道順を行き、帰ります
私が本当にいるべき記憶の部屋へ。

2007/06/24 (Sun)

[1201] ただそれだけなんて
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


ただそれだけで
私は悲しい
ただそれだけで
私は嬉しい

僕だけにしかわからない
傷みや喜び
君はいつだって感じさせてくれる
熱く熱く 今
胸を打つものを
確かに 今
僕は肌で感じて、そして心でも感じているのです

だから、ただそれだけなんて思わない
誰がなにを言おうともただそれだけなんて思わない

いつでも僕は君の傷みを、悲しみを、喜びを
感じているのですから
ただそれだけなんて思うわけもなく
思えるわけもないのです。

2007/06/24 (Sun)

[1200] 
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


この道はまだまだ続きます
歩き疲れたとしても
この両足を前に踏み出します
それもゆっくり急ぐこともなく
この旅の途中出逢った君と共に
どんな悲しみに出逢おうとも
大きな壁にぶち当たったときも
僕は急がず焦らず笑顔で考えます
いい答が見えたならまた歩き出せばいいのです
巣までせっせと餌を運ぶ蟻と同じぐらいの速さで
ゆっくりのんびり限りあるこの旅を楽しみます

まだまだ道は続くのですから
それでも人生はとてもはかなく短いものですから
だからこそ僕は君とこの道を共にしたいのです
この旅を共にしたいのです

たとえどんな悲しみがやってこようとも
それを越えさえすればまた晴れ渡る空の下
良いことがきっとやってくるから、信じて
それでも僕は歩きつづけます
突き進みます

この道を君と
この道を君と
果てしなく続く限りある旅を君と
楽しみながら行こうと思います
ほらまた雲の隙間から光が射し込みました
良いことがまたあるでしょう、ね。

2007/06/24 (Sun)
4221件中 (3131-3140) [ << 311 312 313 314 315 316 317 318 319 320 >> ... 423
- 詩人の部屋 -