詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
狂ったように僕は飽きもせずくだらない詩を書いてる
そんな感じのはかない夢の中
散歩道、やせ細った犬が去り際にこちらに首だけで振り返って
いつまでそんなこと繰り返してるんだって吐き捨てるみたいに死んだ父の声色でつぶやいた
嘘と本当の善悪が判断できるなら
嘘に惑わされず正しい扉を開けられただろうな
でも残念なことにだれもそれを知ることはできない
だから騙された後に裏切られた後に
見上げた空はこんなにも悲しい色をしてる
雨降りの校庭
泥濘に足跡をつけてもまた雨が跡形もなく消してしまう
まるでなにもかも無にするように
あぁ
振り返っても
暗闇しか見えないよ
だから僕らは誰一人過去に戻れない
やり直せない
ただ後は狂ったように日々を繰り返すだけ
詩にムシャクシャをぶつけるように
これからさてどうしようか
それから何をすればいいのか
時計の針の音がやけに響く夜に
寝苦しい真夏の夜に
切れかかった蛍光灯のように
ねぇ
答のでない日常
複雑な計算式のように電卓などない
ただわからなければ置いていかれるだけ
だから
僕はこんなにも
さびしい顔をして
独り雨の中
立ち尽くしている
あぁ
誰も来ないバス停で
来るはずもない希望を待っている
雨が上がって晴れ間がのぞくのを待っている
これからも
それからも
自分の選び方次第
選び方次第で
あぁ
光が見えたり見えなかったりする
晴れたり晴れなかったりする
だからこわくても不安でも歩きだすしかないんだ
その先に光がなくても…
生きていくしか
年とっていくしかないだろう
それしかないだろう
永遠がないのなら
それしかないだろう
雨に降られるしかないだろう
僕も君も。
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夢の中で広い映画館の一番前の座席にひとり僕は座って
僕が僕の今日を振り返るように観ている
映写機が回りながら映し出す僕の今日
失敗ばかりの喜劇のような物語
でも観ている僕は映画の中の僕だから周りの誰かが笑っても笑えはしないよ
だってこれでも精いっぱい頑張ってるんだから
他人にどう思われたって曲げることなんてできはしないほどに
繰り返しみる夢に
繰り返し流れる同じ場面に目覚めるまで
僕は涙しながらもそれでも観ていた
自棄になる僕
溜息をつく僕
いろんな僕が映ってる
夢の中なのにまるで現実の出来事ように
不思議な気持ちで僕は自分を 僕を観ている
伝わる痛みは同じ僕だから
突然にあたりが暗くなって光が見えたら
僕は瞼を開ける
現実という
今日という
朝という
場所にもどる
僕は確かに僕で
映画館などなくて
でも目尻にはかすかに涙の粒が一つ
あぁ
僕は今日も僕を演じながら
夢の中でまた今日を振り返るだろう
そしてふとした場面に涙するだろう
僕にしかわからない気持ちが伝わってくるから…
それまで僕は現実という映画の中
僕なりに演じきる。
詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
あぁ
ひどく疲れたようなメロディが
今僕のこの部屋を囲むように流れている
あぁ
湯船に浸かりながら明日のことを考えると
なんだか気持ちが滅入ってくるよ
重たい溜息を思わず吐いてしまって
どうしようもなく僕はただなるようになっていくのを見送るだけ
それだけしかできないんだ
頭の中で雑多に日々増え続ける悩み事
答を出すことばかりに目がいって
気づいてみればずい分長い間笑顔を忘れてる
そんな気がする
気がするだけかもしれないけれど
いつも想うんだ
夜は何故かな
強がる僕でさえ
心の奥をふるわせて
しんみりした気にさせるよ
いつの夜でも
いつの夜だってさ
音のないメロディが心に届くから
あぁ
おかしいのかも
でも僕は自分の頑張りを誉めてあげたい
疲れきったからだにご苦労様をかけてあげたい
そうすることで
きっと届くメロディが少しでもやさしいものになる気がして
僕は今夜もひとり語るようにつぶやく
「僕よ、お疲れさま」
流れるメロディ
切なさとやさしさを含んだ夜の音色
僕にしか届かない
不思議なメロディ。
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あの頃も今と変わらずに同じように
ただ毎日を単純に繰り返していただけ
あの日の僕はいつだって機嫌悪そうに
都合よく逃げ込む先は手を伸ばせばすぐあった
あれから幾つ歳を重ねて
はたして幾つの朝を迎えただろう
今日まで流した涙の数だけ大人に近づけたかな
そして少しだけでも君にふさわしい
そんな僕になれたのかな
答は今もわからないまま
こうして大人になったって悲しいときには素直に悲しむよ
涙を止めるすべさえ知らない僕は
時々うなだれてさ
君の胸の中子供みたいに泣き崩れる
ねぇ
この広い世界の中で君と出逢えたことは
偶然かな
それとも奇跡に近い巡り合わせなのかな
今、長い夜の始まりに君に問いかける
いつまででも
雨は止まずに降り続くけれど
明日になれば嘘みたいにさ止むんだろう
見上げた青に昨日の雨模様重ねてみる
朝と夜が重なりあって
目覚めればほら
僕らは流れ去った後の時間の片隅に使い慣れた言葉を交わす
挨拶という言葉を交わす
そして
僕らは巡り会う
何度でも朝が来さえすればにこやかに
僕らは繰り返す
誰もが繰り返す
日常というそれぞれの暮らしを
そして 今日も
朝と夜が重なりあって
僕はここにいて
君とここにいて
不確かになりそうな愛をもう一度確かめ合う いつかの夜に
出逢った頃のように
いつまでもこの愛が冷めてしまわないように 笑いあうよ。
詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
君に伝えたい言葉はたったひとつだけ
僕が胸に抱く想いはたったひとつだけ
ねぇ
僕の声が今届くというなら
ねぇ
大好きな君だけに届けたいよ
当たり前に笑って
当たり前に好きになって
そんな風にいつか
そんな風にいつか
二人になるのも当たり前になればいい
そう願っては今日も言葉を飲み込み
溜息ばかりつく
たったひとつの言葉も言えずに
たったひとつの恋路へ歩き出せずに。
詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
生まれ変わっても
もう一度
あなたと巡り会いたい
話し足りなかったことやできなかったこと
もう一度
あなたとしたい
生まれ変わっても
もう一度
僕に生まれたい
平凡でも当たり前に側にいて
愛をくれた家族という暖かさに
もう一度
包み込まれたい
願いが空に届けばいいな
そしたら
きっとまた僕らの暮らしが
楽しい毎日が戻ってくるよ
でもねきっと無理だろうから
一度きりの人生だから
もう二度と戻ることのない時間の中生きているから
僕らは誰一人同じ存在はいないのだから
きっと一人一人が尊くかけがえのない光なんだろう
当たり前だけどね
当たり前すぎて忘れてることだから
もう一度
考えてみるんだ
二人でまだ道は続くよ
まだ若い僕らの道は果てしなく長く続くよ
でも
僕らは終わりがあることを痛いほどに知ってるから
でもだからこそ精いっぱい生きるんだ
生まれ変われない
だからこそ
僕は君を力の限り愛していたい
愛していきたい
そのために僕はきっと生まれて
何かを知るために
何かに気づくために
生まれ落ちてそしてここいて
当たり前に感謝できる素直に喜べる
そんなやりとりが幸せだと思う
きっとそんな平凡がどんな何よりも恵まれてるんだろう
だから僕はこのまま
君と歩いて行く
家族と笑い合う
楽しく寄り添って
いつものように話をしてしゃべり合って
後悔などしない
これこそが幸せだから
これ以上の幸せはいらないよ ないよ
生まれ変われなくても
永遠に愛はあり続ける
君の中に 僕の中に
家族の心の中に
輝きは消えずにきらめき続ける きっと
世界でいちばん尊いあなた達へおくるささやかな言葉。
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いつの日かこんな風に
ただだらしなく過ごす日々が
楽しく笑い合う毎日を
懐かしく思い出せるように
胸のポケットそっと笑いながらしまって
雨は降る
いつだって決まった時間なんかなく
予想もしない晴れた空からも降る
いつだって僕はそう
難しく考えすぎる
だから複雑になる
簡単なことも難しいと思い込む
だから僕は君を見失った
だから
だから
こんな退屈な日々をいい加減に終わらせるんだろう
一日中ボーッとして
気づけばいつも眠り込んで
ただ流れ去るままに
僕は流星になる
もう二度と流れてくることもない
一度きりの空を流れゆく流星になる
いつか
恋をした
ピンク色の頬をした
可愛らしい流れ星のあの子に
だけど
だめだった
僕なんかじゃ
釣り合わなかった
僕はめんどくさがりで
君は几帳面でおしとやかだったから
そして何よりも
君は僕が今まで見てきたどんな誰よりもきれいな心を持っていたから
だから尚更
汚い僕の手でつかめるような子じゃなかった
だからなの 僕よ
雨のあの日逃げたのは
それを言い訳にして
逃げきったのは 僕よ
だからこんなにも胸が痛んで
忘れられないのさ
君は僕が感じた痛みよりも悲しみよりも
もっと悲しい日々を過ごしてきたから
独りぼっちの君は
だから
そんな君を置き去りにした僕の罪はずっと消えない
ずっと
ずっと
君のこと悔やんでる
本当は好きだったから誰よりも
誰よりも好きだった
君のこと惜しんでる
ずっと
ずっと
逃げ際に見た君のあの日のさびしげな顔が頭から消えない
嘘じゃなく好きだったから
あの日の僕が愚かすぎたから
だから
だから
僕は今日も思い出してしまう あの日を。
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小さな丸い世界の中に閉じこめられたまま
僕はいつか息絶える
悪ふざけもできない歳になって
どんどん暮らしは豊かになっていく
その中で自分だけが
衰えていく
誰もが同じように
衰えていく
そんな風にずっと繋がって
それぞれの光を放ちながら
世界は生まれ変わる
新しく
ハイテクに
便利に
僕が消えた後でも
止まらずに世界は回る
そして進む 進むよ
次から次へと
新しいものが増えて
古いものは消え去ってく
大切な気持ちも
僕の中でなくなってしまうのかな
時間は流れてく
世界は変わってく
もう
どうにでもなれ
僕は もう
その頃には もう
生きてはいないから
目にすることも
ふれることさえ
できないんだよ
もう
僕は生まれ変われはしないんだよ
もう
いないんだよ
雨が降る駅にも
夕方の土手にも
よく通った路地にも
スーパーの駐車場にも
いないんだよ
ただ古い寿命の中に
病院の死亡診断書の片隅に小さく名前だけ残されて
いつの日か古くなって
いつの日かボロボロに色あせて…
永遠のない世界で
限りある世界で
僕は約束された死の前に屈しながら
どうにもできずに終わっていく忠実に運命のままに消えていく
いつの日か
絶対に確実に過去の誰もがそうであったように
僕もいつか
いつの日か…
回り続ける
世界で僕は 目を閉じる白くなる鼓動しなくなる
今手を当てて生きていることを幸せに思っても
あぁ こればかりは。
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瞼をゆっくりと閉じて見えるものは暗闇の世界
何も見えなかったんだ何ひとつ
あの日笑っていられた頃は
退屈だったから
あくびをした
面倒くさかったから
別の道を選んだ
簡単な道を
楽な手段で
今まで生きてきたよ
何一つ頑張ったことはないのだから
思い出せるわけもない
だからそれに似合った未来に僕はいて
身勝手なほどにひどく後悔してる
呆れるほどにそれでも仕方ないとつぶやきながら
むなしさを胸に抱いて空を見た
過ぎていく日々を見送った
バカみたいに笑ってやった
悲しいから笑うしかなかった
笑うことしかできなかった
とてもとても
もどかしかった
あの日眺めてた景色は
とても楽しくて美しかったよ
シワだらけの誰かがきっと羨ましがっただろう
棒にふるったように自らチャンスを逃した僕はおろかなのか
俺の人生だからなんて他人の声も無視して
青空ばかりを眺めてた
平坦な道ばかりを歩いてた
あの日の僕
過去の今と現在の今が交差して繋がって
一つだって
頑張った分だけ報われるんだって
未来の僕を大人になった僕を楽にさせるんだって
今しか見てなかった僕に未来に楽する権利なんてないって
誰もが言いそうだ
だから
悲しいんだと思う
過去の僕も現在の僕は尚更
だって
もう二度と戻れないんだから
それもぜんぶ自分の責任なんだから
だから笑うしかないんだと思う
精いっぱいの線で生きるしかないんだと思う。
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この空の向こうに
この窓の向こうに
まだ知らない明日が
一歩先の未来があって少しだけ不安になるのさ
どうしてこんなに不安になるんだろう
明日は雨
生憎の雨
ここ一週間は雨さ
僕の心も雨模様
だいたいいつも
この想い伝えられるそれまではずっと雨さ
見上げた空はこんなにも晴れてるというのに
心は雨だよ
青く染まった真夏の恋物語
もどかしくて
もどかしくて
瞳は潤む
そして
涙が溢れ出るよ あぁ。