詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
君は君で僕は僕
そんな当たり前なこと
ステキなことだって思いもしなかったから
気づいたらちょっと恥ずかしくなった
気づけたらちょっと前より近づいた
夕暮れが瞳の中で
ゆっくりと夜に傾いていく
もうすぐお別れの時間
門限は八時だったな
ならもう帰った方がいいよな
寂しそうに目を伏せながら
さよならと呟き
また明日あえるのに
どうしてこんなに泣けてしまうのか
玄関越し見送る僕に
甘いキス
君は頬を赤くしながら
『また明日』って走って夕闇に消えてった
昨日より増して
君が好きになったよ
僕は僕で君は君
当たり前なようで当たり前にしては
ステキなこと
それを知ったのは恋をしてからで
ありのままの君を受け入れることから
はじまった気がするよ
お互いの価値観を認め合うことから
スタートした気がするよ。
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今年で24歳になる僕の好きな人
でもまだ気持ち伝えられてない
本当のところは伝えたくて仕方ないのに
面と向かうといつもいつも言いそびれてしまう
伝えたい言葉を飲み込む度にもやもやした気持ちになる
こんなもどかしい気持ちになるくらいなら
いっそのこと勇気を振り絞って
ダメもとでも良いから伝えようか…
言いたい言えない
胸の中交差する思い
言ってしまえば楽になれるのに
どうしてだろう言うのを僕は不安がってる
求めたのはこんな土砂降りの恋なんかじゃない
もっと幸せに満ちたものを望んでたのに…
冷たい雨に濡れて青くなってしまった心
未だに言えずにいる思い抱えたまま
寄り添う明かりの中
そっとバンパーを濡らす
うつむいたまま呟いた さらば恋よ。
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飛び跳ねながら
何度も何度も繰り返す問いかけ
言うか言うまいか
考えてる度ため息
逆上がりで一回転
続けて二回転
そのたび世界が反転
逆さまの世界
思いもつま先から頭へ頭からつま先へ
行ったり来たり
見え隠れする意気地のない弱さ
このままもしかしたら…
humming melody
思い返せば
消えては浮かぶ
あの日の残像
時は流れ
今また逆上がりをしに公園へ
何か失った記憶
掴めるような
そんな気がして…
そんな気がして……
僕はど忘れした頭でもう一度回り方を考える。
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人は誰もが年を取っていくけど
それでも何年経っても色あせないものもあるよ
若かった日を懐かしんでも
もう元には戻れない
生きている時間や時代は違えども
一人一人にきちんと平等な命がある
だから大事なのはその中で
どれだけ満足して生きられたかだと想うんだ
変わらないもの
変わってしまうもの
憎まず僻まず
この先生きていけたら
きっと素晴らしい人生になる
たとえ今日明日を悲しみで濡らしても
今を頑張り抜くことで光を見出すんだ
変わらないものが
この先何年先に大事な大事な光になるように
今は我慢することを覚えよう
後悔や未練を残さないためにも。
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下りの電車の窓から眺める
東の空はもうキレイな夕焼け
でも西の空はまだ薄い青色
通り過ぎる
見慣れてしまった同じような景色
遠くきこえるアナウンス
やがてすべての車両に行き渡り
僕の耳に届く
疲れたように次の駅を告げる運転手の低い声…
ドアが自動的に開く
開口音の後
たくさんの人が吊革を求め手を伸ばす
閉口音の後
電車は再び走り出す
ガタゴト…ガタゴト…
電車を見送る僕の瞳に映る
遠くなりやがて小さくなるその電車
幻想的な斜陽の列
見上げた空の塗りつぶされたさっきよりもキレイな夕焼け
こうして
今日も終わっていく
冷え込んできた空気の中
ホームに一人立ち尽くす
もう少し…もう少し
今日という日を感じていたい。
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振り返れば見えるだろう
僕らが辿ってきた足跡が
僕らは確かに死へと向かって歩いてる
時間などあっという間に人を老いさせる
淋しい思いまでして
僕はどうしてそこまで君に一途になるのか
わからないけど
わからないけど
僕はどうしても君への思い捨てられないんだ
夢へと歩む行く先の妨げになるとしても
それでもこの思いだけは捨てられないんだ
でも叶わないと知った今なら
ためらわずに忘れられるかな
あの日の片思い
悲しい一人歩き
それらすべて
追憶の彼方に。
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昼過ぎから降り出した季節はずれの雨
アスファルトをかるく削っちまうほどの強い風
胸の奥に押し込めていた思いが溢れだしてしまいそうなくらい涙
そう気づけばそれはすべて
蒸し暑い夏の幻だったのか
ひどいのどの渇きと生ぬるい風
息を荒くして目覚めた夜は
汗のによいと虫の鳴き声だけがはらむだけの真夏の深夜
忘れ去られた記憶を手繰り寄せれば
何かつかめるかなって
思っていたけど
現実はそんなに甘くはなかった
ただ切なさとはかなさを引き連れて
季節をまた一つ巡らせていくだけ
あの日の夜など
思い返してみたところでまぼろし
真夏の熱帯夜と寝苦しい夏がまた巡り来るだけ。
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ピントのずれた焦点を合わせ
きちんと君が僕の瞳のレンズに映るように調節したら
思い出を写真に残そう
今この瞬間を切り取ろう
昼過ぎのちょっとした小さな手品
さぁ笑って パシャ。
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僕のちぃせえ声なんか
バイクのうるせえエンジン音にかき消されて聞き取れない
エンジン音に邪魔されて
乱れきった心の声は無音の静寂の中
さ迷うだけ
時は待っちゃくれない
だから急ぐんだ
時に置いてかれないように
人は流行を飲み込む
焦らずに進めたなら
どんなに楽だろうな
それでもそんな都合の良いコトは
残念ながら現実は許しません
loop...侘びしく回る
loop...僕らの日々
loop...loop..やがて忘れる誰も覚えちゃいない
loop...loo.p..。
詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
窓際の隅っこに
ポツンと置いてある
いつかマーケットで買った
学名も知らないトゲトゲしたサボテン
小さな花を咲かせて
シンプルで地味な植木鉢にすっぽりからだをうめて
なにも不満を言うわけでもなく
静かに窓際の隅っこ
咲いていた
僕もサボテンみたいに
一日のほとんどを家で過ごす
引きこもりの少年みたいに
背中を丸めて
カーテンを閉め切って
これじゃまるで植物人間みたいだな
本当にそうだったら
きっとそうとう落ち込むなぁ
でも落ち込めもしないのかなぁ
一定のリズムで波打つなんかの機械で生かされてる
ただそれだけの植物人間
そんなの嫌だけど
僕には関わりのない世界の話だ
カーテンとカーテンの隙間から
のぞく青空
さっきまでの雨はどうやら通り雨
ほらまたすぐに太陽が照り始める
薄目で見上げた晴れた空
上着を着たら
外へ行こう
散歩がてらもっと近くで空をみたい
普通の人間として
正常な人間として
転げ回って
動き回っていられるうちに
ほら遊んでおこう。