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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[1027] 狭間の世界 (中盤)
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


ただ社交的に
ただ常識的に
僕は笑うことも愛想することもなく
ただ身を委ね
ただ生きてる
死にゆく今日はまた
別の場所で 世界で
輪廻するのだから
僕は今日の事を心配したり気遣ったりはしない
草臥れた世界に
優しさなんていりはしない
必要なのは
ただ現実を受け入れ
ただ淡々と闇に向かって行くだけだ
光 また 闇
光 また 闇
闇 闇 闇…
光 光 光……
気が狂ってしまいそうなほど
世界は僕に同じ場面ばかりを見せる
何度も何度も
繰り返す
生まれては死に
生まれては死に
繰り返す
消えては現れ
消えては現れ
繰り返す
無声映画のように
ただ静かに
それだけに厳かに
ただ冷静に
心にはいつも君が映っては消え映っては消え
繰り返す
目を閉じても 無駄
暗闇の中にも
それはハッキリと
映っては消え映っては消え映っては消える

廃墟の遊園地
子供たちの無邪気な笑顔
途端消える笑顔
燃え盛る景色
そしてまた君
繰り返す 映像
モノクロの幻
燃え盛る夕空
そしてまた君
フィルムは回る
回り続ける
僕の中で
君の中で
永続的に 延々と
現れ続ける それ

そして、暗闇
目覚めれば
確かに、現実
いつもの 部屋
現実世界
いや
狭間の世界
繰り返す 日常
寄せ打つ 時間の波
白いシャツを着て
それから…
それから……
それから………
駅へ急ぐ
そして、
次は 次は 次は
再び、暗闇
白と黒の交差点
音のない世界
滴る汗
右向け左
赤から青へ
そして黄色へ

2007/05/01 (Tue)

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