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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[1040] 追憶の風景
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


優しい言葉だけでは
あなたの傷は癒えない
気の利いた事をしても
あなたの傷は塞がらない
ただ月日が波のように満ちては引いていく
昨日までは大切だった気持ちをさらって

心の何処かで忘れてた想いが息を吹き返す
記憶の断片が重なり合って元に戻る
止まっていた
頭の中の映写機が回りだす
途端映る
数ある思い出のシーン
カラカラと音を立てて
思い出が一つにつながった

君ともう一度だけ
あの懐かしい海に行けたらな
気がついたら
君と行った海に居て
僕は独り
沈んでいく夕陽を見てる
あの日君と見たときと同じ砂浜に座って
忘れようとした
大切な思い出を
もう一度思い出すよ
思い出の中の
いや
確かに今見てる
追憶の風景で。

2007/05/03 (Thu)

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