詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
お湯を注がれた
カップめんの閉じたふたの隙間から
湯気がもれて白く揺れている
ただそれを僕は眺めている
頬杖をつきながら
まだかまだかとじっと眺めている
日々が行儀よく一寸の乱れもなく流れてく
音さえもなく歯車は確実に回る
止まってるような
ゆっくりとした時間のその中で
時々焦って
時々立ち止まる
そして気づけば
当たり前のように
人を大人にして
忙しい毎日を 殺伐とした生活へ放り投げる ぶん投げる
窓の外の景色は
昼夜問わず
季節も問わず
変わることなく
退屈と憂うつが漂ってる
支配するのはたったその二つ
真っ白な服を着て
真っ白な世界へと
真っ白な夢の中で
真っ白な涙を流す
笑顔も
いたわりも
愛情さえ
この頃は真っ白いよ
いつかこんなんじゃ
全てが真っ白くなっちまうよ
他人事みたいに
周りの木々は延びて
きれいな花を咲かせて
その生きざまを世に知らしめる
とどろかせる
でも相変わらず
僕は真っ白で
眩しすぎてアンタを見れないよ
吐き気さえもよおして見れないよ
輝きすぎて
煌めきすぎて
羨ましすぎて
見れやしないよ
見たくないよ
認めたくないよ 僕は
空白な日々の中
真っ白く ただ青く
色を失って色あせて
ただ白く 真っ青に
変わるよ
変わってしまうよ
カップめんがのびるのも気にせずに
僕はボーッとしてた
一日中ボーッとしてた
あの青い春
あの若かった日
空白な僕の日々
かえらない幻
空白な僕の日々
いい加減だった
僕の日々
適当でも許された
僕の日々
空白な僕の日々。
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