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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[1120] 夢のお話
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


夢の中
夢の中には
眠ってる間には
痛みも 快楽すら
悲しみも 喜びもなく
ただ心地よく
ただ静かに
一時の朧気な景色を見せる 不規則に
でも朝起きたら
僕は昨日見た夢の内容を覚えてない
少しだって覚えてない
あまりにもぼんやりしていたから
わからないけど覚えてない

そして今日も僕の住むこの町には
人だかりがあふれ
言葉を
挨拶をそれぞれが交わしあう
移ろいながら
緩やかに景色は変わる
まったりとゆっくりと気ままに

知りすぎた情報を
間延びした理想を
頭の中で絶えず生まれ続けるろくでもない考えを
回り続けるこの地球で
今日もまた新しいページが増える
まだ真っ白な新しい僕だけの一日が始まる
生まれては消える
消えては生まれる
色々な 様々な
おぼつかない憶測
計り忘れた準備の良い計算

とけ込むのは
入り込むのは
楽で安全な
ハイテク化した
数値化した
機械だらけの電脳世界か
行きたいのは
行くためには
鉄の塊に乗っかって
コンクリの道を
決まった手順で規制で進む
いつも通りに
当たり前なんて言いきりながら
大人ぶって

何一つ変わらない
世界へ 未来へ
何一つ進まない
現在へ 過去から
理想と現実を照らし合わせて
夢と理想をごっちゃにしながら
色々な 様々なこと考えすぎて たまにへまする
起きて眠って
眠って起きて
繰り返す日常の中で腐る 錆びる 溺れる 燃える
骸骨になって
微生物に分解されて
粉になって
狭い壷に入れられて
悲しくて。

2007/05/14 (Mon)

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