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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[1119] 命の花
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


命は儚いもの
一度散ってしまえばもう咲かない 永遠に
日常の中で
流れてく時間の中で当たり前にそれは起こる
知らないような国でも
そして当たり前のように町には人があふれ
言葉を交わしあう
人と人とが巡り会う
他愛もないささいな日々の中で
誰かと誰かが縁を結ぶ
そして
誰かと誰かが縁を切る
同じような顔をして
泣きながら
怒りながら
笑いながら
時間の波に乗って
揺られながら
生きて行く
何も知らないように
何も知らないふりをして
知っていても
知ってしまっても
忘れるように
忘れるように
頑張って
気を張って

街角のパン屋には客足が途絶えない
人も同じで永遠と同じ位長い時間のその中で交代交代に息づく
世界を その時代に華を添える
良くも悪くも
花を咲かせる
命の花を
散らしては
咲かせていく
どこの国でも
どこの街だって
小さな町でも
田舎のさびれた畑でも
命は息づく
それぞれの名前を付けられて
それぞれが意味を理解し
それぞれを演じていくよ
僕が僕であるために
それがそれであるために
命はまた巡り
意味を成しながら
儚くとも美しく
散ってはまた咲かせていく
巡り行く季節の中
生まれ行く
新しい命
散って行く
生ききった命
気高くも美しく
散っていく
散っていくよ。

2007/05/14 (Mon)

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