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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[1155] ふたつの影
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


さよなら
日がだいぶ陰ってきたから
バイバイ
見上げた空が鮮やかな赤に染まってるから
うつむきながら帽子の鍔で泣き顔隠す僕
心なしかもうこれきり二度と会えない気がした
離れては傾きながらぐらつく想い
指を絡めあいながら
いつの間にかね
気づいたら君の手の温もりだけがあるだけ
振り向いても空を見上げても
君は何処にもいないよ
世界中を探し回っても君の存在はもう
あの夢のような
よくある映画の一場面のような
幻のあの日に閉じこめられてしまった
どうにかして手繰り寄せてみても
記憶はひどく朧気だった

記憶の中の少女は
夢の中でさえ笑ったふりで
泣きそうな僕のことわかってるくせに
男勝りな励ましをくれた
でもなんだか妙にそれが嬉しかった

ゆらゆら影法師
月と太陽が寄り添うように交わる
早とちりな僕はもう明日のこと頬杖ついて考えていた
君と僕のふたつの影はいつもくっついたり離れたり
それが時に悲しかったり嬉しかったり
そうやって僕らは短い時間の中で愛をはぐくんだ
ふたつの影がひとつになったって
この胸の中に君はいて
忘れさえしなければいつでも夢の中
君に逢える
逢えるんだ あぁ。

2007/06/02 (Sat)

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