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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[1238] 退屈な日々
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][得票][編集]


やることもなくただなんとなく過ぎゆくままに終わらせる毎日
テーブルの上のコップに半分だけ注がれたミルクのように
真っ白な汚れもない少年でいられた日からだいぶ年を取り
忘れまいとしたあの日感じたその場限りの楽しい記憶
大人になった僕は都合よくだんだん少しずつ忘れてく

曖昧なほどのこれから先の未来の構図
知らず知らずの間に僕は夢さえ見なくなった
しまいにはそれを悲しいと思うこともなくて
行き過ぎていく淡々とした日々の中で
やることだけやって
後はただ寝てるだけ
夢のない空っぽなむなしい夢の中
起きて寝て起きて寝て
繰り返す日常
つまらないとは思ったりするも退屈紛らすモノさえ僕にはみつけられなかった

コンビニへ買い物にでる
週刊誌とおにぎりとペットボトルのお茶をレジに出す
大きなあくびをする定員に金を払う
買い物袋ぶらぶらさせて
寄り道せずにいつもの道で家に帰る
いつの間にか空は夕暮れ

そうやって僕の二度と戻らない今日が
静かに静かに幕を下ろしていく
明日の予定もまだ決まってないのに
時間は待つこともなく立ち止まる僕を置いて
先へ先へと急ぐ
平日となればまた誰もが忙しく忙しく動きまわる
その合間合間につく溜息は自分でももどかしくなる位になま暖かかった
ろくに磨きもしないから黒ずんだ鏡のぞき込んだら見えたのびてきた顎髭

退屈な日々
憂うつな日々
倦怠感に飲み込まれていく
僕を置いたまま
時間は先へ先へずっと先へもっと先へ
そしていつか寂しい終わりへ連れていくだけさ
忘れてはまた思い出そうとするも面倒になって
やめては思い出せなくなるから忘れたまま記憶は遠ざかる
覚えているのは昨日の晩飯くらい、さ。

2007/07/08 (Sun)

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