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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[1239] 親父と僕
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


下着姿とパンツ一丁で
歯を磨く親父
髪はボサボサ
脂臭い
だらしなく寝そべってクーラーを強にした部屋
脂汗をかきながら
しばらく暑いななんてつぶやいてる親父

たいして収入もあるわけじゃなく
それでも親父は満足げらしい
最低限の生活に収まっていられる事が幸せだと僕にいつも事あるごとに話して聞かせる

親父の一日がいつものように終わる時
親父が何をしてたのか
興味はないけど
聞くともなく聞いてみた
親父は内緒だ内緒とと言いながら
やっぱり朝と同じ
下着とパンツ姿で
尊敬こそしないけど
なんだかそれで親父は親父らしいと思える僕がここにいた
母はどうしてこんな親父に惹かれたのかはわからないが
ふたりは似合ってるとは思うのさ
のんびりマイペースで勝手なところが
似てると思うのさ
そしてその遺伝子が僕にも流れてるから

今僕も大人になって
真似するともなく
下着とパンツ姿で寝転がっている
そりゃもうだらしなく
そりゃもうだらしなく
にやけた顔で思わず笑ってしまった
何となくねうれしくなったから。

2007/07/08 (Sun)

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