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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[1277] 最期の電話
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][得票][編集]


警告灯が光っているよ
終わりをそっと告げるように
町外れの小さな電話ボックスの中
顔の見えない二人が交わす言葉。受話器は垂れ下がったまま
通話相手だけが私の名前を呼び続けるだけ
その必死の叫びすら私にはきこえない

立ち去った後の道はとても暗く寂しい
車さえ通らない忘れ去られた電話ボックス

私では君を愛すことはできない
そして幸せにすることなど、とても
あの日交わした約束はまるで裏切るためにあるように
いたいけな誰かの心に傷をつくる

私をはじめて愛してくれた、あなたよ
もう逢うこともないけれど私は忘れない
君がくれたやさしいあの微笑み
私は忘れない
たとえ明日のこない闇に向かい歩き出すとしても
私は忘れない
もう二度と逢えないにしても。

2007/07/17 (Tue)

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