詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][得票][編集] |
何度も涙して失敗しながらも
最後には練習の甲斐あってなんとか乗れた自転車みたいに
いつか今生きてる世の中にも乗り慣れるときはくるかなぁ
うなされて起き上がったころにはもう真夜中で
僕は頬に滴る汗を拭いながら
しばらく時計をみつめていた
どちらが勝つともない勝敗のつかないにらめっこ
独りだけの静かな部屋に時計の秒針の音だけがいやに響いてた
いつまで経っても
答えは見えずにさがすことさえなくなって
僕はただね過ぎ行く季節の美しさをきれいだねって言葉で片づけるだけ
ただそれだけに疲れ果ててしまって
帰って寝るだけの日々が日常的に変わっていく
いつの間にか気にもとめずにね
鼻で笑ってごまかすだけの自分
いつでも自分対自分なのにさ
それさえ忘れかけた僕はもはや自分でさえなく
こんな自分を好きになれるわけもなく
ただ僕は僕自身をつよくきびしく恥じきった。
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