詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
名前のない駅で名前のない列車を待つ
名前のない駅へ行くための列車を待つ
君はついてはこない
ぼく独りきりの旅さ
真っ白な頭に浮かぶのは
君のあの笑顔
それだけを鞄に詰め込んで
この街を離れる
名前のない駅で名前のない列車を待つ
名前のない駅へ行くための列車を待つ
君は一緒じゃない
ぼく独りきりの旅さ
真っ青な空に浮かぶのは
沢山の想い出
それだけをぎゅっと握りしめて
列車に乗り込む
置いてきたもの
取りには行かないさ
もう戻らない
ここには戻らない
形のない大切をこの胸で感じてる
熱くなってしまう脈動を
哀しみだけで染めてしまわないで
やさしく手を振り
別れ際さえ穏やかに
ぼくは遠ざかる君の姿をずっとずっと
列車の窓越しから見ていた
ぼくは遠ざかる思い出をずっとずっと
何年経っても忘れないから。
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