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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[1335] 名前のない別れ
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


名前のない駅で名前のない列車を待つ
名前のない駅へ行くための列車を待つ

君はついてはこない
ぼく独りきりの旅さ

真っ白な頭に浮かぶのは
君のあの笑顔
それだけを鞄に詰め込んで
この街を離れる

名前のない駅で名前のない列車を待つ
名前のない駅へ行くための列車を待つ

君は一緒じゃない

ぼく独りきりの旅さ

真っ青な空に浮かぶのは
沢山の想い出
それだけをぎゅっと握りしめて
列車に乗り込む

置いてきたもの
取りには行かないさ
もう戻らない
ここには戻らない
形のない大切をこの胸で感じてる
熱くなってしまう脈動を
哀しみだけで染めてしまわないで
やさしく手を振り
別れ際さえ穏やかに
ぼくは遠ざかる君の姿をずっとずっと
列車の窓越しから見ていた
ぼくは遠ざかる思い出をずっとずっと
何年経っても忘れないから。

2007/08/14 (Tue)

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