遠く揺れる陽炎 庭に咲く朝顔縁側でみた夏の夢 弾け散った花火のような儚さを残して過ぎ去っていく胸元の火照りと暑さに寝苦しさを感じた夜長にみた夏の夢 飛び散る光。それは蛍悲しくも儚い名残惜しさをひそませた忍び寄る秋。ただその気配 縁側でみた夏の夢 静かな中にきこえる蝉の鳴き声 遠ざかる音を耳にして 少し眠るぼく祭りの後の静けさに似た気持ち抱きしめながら。
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