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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[136] 夕暮れラプソディー
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


だいじな人を失ったとき
不意に夕焼けが見たくなって
自転車を走らせる
東の空は暁に染まって
雲はキャラメル色をして点々と空に浮かんでいた

自転車を適当に止めたら
高台の丘に登り
空を見上げる
あの人に会える気がして
なくしたもの思い出せる気がして
それでも'それ'はもう二度と還ってはこなくて
そんなことは痛いくらい分かっていて
それだけが胸を焦がす

夕暮れラプソディー
明日も明後日も
ここに来よう
涙を強さに
強さは優しさだと教えてくれた
貴女の笑顔に会えるから
貴女の好きなこの景色が見れるから
僕は明日も明後日も自転車を走らせよう

たった一つ
なくした愛をこの瞳に映すため
忘れないよう
焼き付けるよ
燃えるような
あの夕焼けの色を
君も見てるか…?
あの空の彼方で
君は見えるか…?

夕焼けラプソディー。

2006/12/25 (Mon)

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