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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[1446] お静かに願います
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


画面の外側から観てる
ぼくと
画面の中側から観てる
きみで
観客と演じる側
お芝居なら
あるだろうけど

これはシアター
視線を合わせても
変な顔してみても
所詮はシアター
野次を飛ばしても
なんの意味もない

真っ白い紙に
映写機で映し出す
モノクロ映画
いつの時代だよ!
カラー観せろよ!

だ・か・ら

これはシアター
文句言おうがさあ
『お静かに願います』
たったそれだけ
それだけで
凄いぜシアター
うるせえバカを黙らせる
冷たい視線は冷凍光線
一気に凍り付くぜ

これはシアター
視線を合わせても
変な顔してみても
所詮はシアター
野次を飛ばしても
なんの意味もない

シーっと
お静かに願います
ほかのお客様の
邪魔にならないよう
終わるまでは
お静かに願います
睨みをきかせ
画面でキスしてた金髪の女優も隣の紳士もみんな
唇に指を当て
シーっとしてた

『お静かに願います』
口々にそう言い
バカを黙らせる
凄いぜシアター
さぁ映し出せ
年期の入った映写機よ
僕という人間の
偉大な男のすべてを
さぁ映し出せ。

2007/09/11 (Tue)

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