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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[1497] 鬼は依然姿を見せず
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


僕は此処にいるんだよ
早くみつけてくれ
かくれんぼはもうおしまいにしよう
ねぇでてきてくれ

どうして君は僕をみつけてくれない?

永遠がないことぐらい
小学生でも知っているね
だけど僕はとてもとても
信じられなかった
信じたくなかった…

どんなふうに僕は
この先何を光に暗闇を歩いて行けばいい?
この先何を希望にして何を生きがいにして生きていけばいい?

鬼さんこちら
手の鳴る方へ
夕暮れの空の下
必死に呼んだ
いつまでもいつまでも
僕は呼び続けた

けれど君は
いつまでもいつまでも
鬼のままで
だから僕は
いつまでもいつまでも
みつけてくれるのを待っていて

それでも
鬼は依然姿を見せず
みつかりもしない
僕はせつない気持ち
あの公園を後にした
それから君が永遠へ消えちまったこと知ったとき
涙がとまらなかった

みつけてほしいんじゃなくて
多分
君の顔がもう見れないことが
すごくすごく
自分としては悲しくて
とてもとても
悲しかった体中の涙が流しきってしまうほど涙あふれた

僕は此処にいるのに
逃げも隠れもしていないのに
鬼は依然姿を見せず
1人永遠へ消えた
蒸し暑い8月のある日の夕方に。

2007/09/20 (Thu)

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