詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
雨が降る空を見ていた
少しだけ心の奥引っ込めた悲しみと切なさ
少しだけかすかにふるえるこの胸ノスタルジー
センチな毎日は思うよりも悲しくて
思いもしないほど涙があふれてくる
まだ間に合う今からでも遅くない
走ればまだ間に合う
過ぎ去っていく時間をつないで足りなければ継ぎ足していけばいいさ
澄んだ夜のメロディこの胸の中でささやかな音楽が聞こえる
切り離してまたつないで
きりもなくただそれを繰り返してゆこう
静かな夜の透明な雨が頬まで濡らす
透明な雨の糸が連なって水の壁ができる
そこに映り込んだ僕が泣いていたんだ
ひどく顔をぐちゃぐちゃにして
瞼を腫らして泣いていたんだ 気が済むまで
だからね
夜空を見上げて思うことなど何もない
だからね
美しさにはどことなく淋しさや切なさを感じてしまう
だから、
僕は夜がたぶん嫌いなんだろうな
嫌いなことを理由にするにはひどく曖昧すぎだけど
とにかく夜は嫌いなんだ
寂しい気持ちになるし
切なさをはこんでくるし…
ただ夜になったら
夢の中
漂うように浮かんで
眠るだけそれだけさ
ずっと
同じ思いで今日もきっと長く長く嫌いな夜を過ごすだろう
夜が訪れるだろう
それだけはわかってる
昨日の夜もそんな夜だったから
星に祈る言葉もなく夢のない想いを抱く
ああ
なんて悲しいんだろう
ああ
なんで寂しいんだろう
心なしか不思議に心夢にあずけて漂うように水面に浮かんで
真っ白な心で
色のない夢を今夜も見るんだ
ただ決して見たいと望んだわけじゃないけど。
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