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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[1716] 父から子へ
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


覚えたての言葉を話す赤ちゃんのように
まだぎこちないながらも精いっぱいに言葉にしようとする
そんな姿の純粋な君で居てくれたら
何も言うことはない

寄り道してもなるべく早く帰ってきてね
君のあの元気のいい「ただいま」の声と笑顔が見たいから
そっと今恥ずかしく想いながらも日記に記す
僕の思いを
いつか何年後 何十年後経った時にこの日記を君が呼んでくれたら
なにか感じてくれたらと逝くときはそう遠いといつもいつまでも言ってられないから
また季節は次々と早足に過ぎる
あたたかい風や冷たい風を吹かせていく

僕が君の歩んでゆくこれからの人生という道に目印を付けることはしないさ
ただ手助けくらいはしてあげるけれど
そっとエールを送る
遠くから近くからも
波のようなまなざし注いでるから

大人になった君でも
無関心なんて悲しいことはしないさ
いつもいつでも願うことは昔と何ひとつ変わらず…

ああ
父から子へ そして
君から君の子へと
受け継がれてほしい
当たり前な愛情が

ああ
世界を去った後でも
思いは残るんだよ
幸せになってほしい
当たり前なほどに

そう願うよ…


君も

誰もが
迷い悩み苦しみ
悲しみに打ちのめされている
深い青に 暗い夜に包まれた街
泣いている君の背中
ドア越し聴いたんだ
君の悲しみ
どうやれば癒せるのかな
不器用なこの僕の笑顔を風がさらう 風が笑う

誰も君のその涙をバカにはできないんだ
君の悲しみや心に負った傷跡をどう癒せるのか?
その答はどこにあるの?
こんな僕だけど
限界なんて
気にしないさ
手がふるえようが足がマヒしようが
君のことだけ考えてる

真夜中 そっと
心配でのぞきに行ったのさ
君の家に
君は元気だった
ほっとしながらも内心

2007/11/01 (Thu)

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