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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[1815] 世界にひとり 世界にひとつ
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


私の中で息づくこの命がやがてこの世界に生まれ出て言葉を覚え
いつしかお母さんと呼んでくれる日を楽しみにして待ちながら
やさしくやさしく何度もさすって話しかける届くのかはわからないけど
いちばん最初に覚えさせたい言葉は自分の名前
私たちが名付けた世界にひとつのあなたの名前

あなたの名前呼びかけながら生まれてきてくれるその日を心待ちにして毎日を過ごしてる
私を生んだお母さんのように
お母さんと同じように私ももうすぐお母さんになる
あなたの あなただけの世界にひとりのお母さんになる

世界にひとつの名前と
世界にひとりのあなた
その両方がそろったならあなたのまだ真っ白な新しい物語がそこから始まっていくのよ
これからたくさん食べて寝てたくさん涙を流し笑ってほしい
そしてまだ気持ちが早いけどいつかかわいいお嫁さんを私たちに見せてね
そしてあのころのあなたみたいなちっちゃくてかわいい赤ちゃんもみてみたいわ
そして家族という大切な絆の中でその家族という存在の大切さや尊さを知ってほしいのよ

いつかあなたが私たちの元を離れ
愛すべき誰かと共に生まれ育ったこの家を巣立っていくまで
まだ理想でしかないけれどあなたが幸せだと心から思えるような未来を手にしてほしい
それが今生まれてくるあなたへ贈る詩なのよ
そしてそれは私たちのいちばんの願い事
望んでること
難しい言葉やややこしい理屈などいらないのでしょう
ただ生まれてきたあなたを心から喜ぶ想いや気持ちがあれば
それだけでもうたくさんだわね
何をしてあげようかしら
何を教えていこうかしらと考えるのも楽しみのひとつなの
たいへんだとは思うけれど産声をあげ生まれてくるあなたをただ祝福したい
歓迎したいのよ
それにつきるのです
その想いだけでもう心がいっぱいになり満たされてた

2007/12/08 (Sat)

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